<日本で大成功した中国人>日本人の微笑みを軽く見てはいけない=「日本Eコマースの要塞」を作り上げた男

Record China    2017年1月2日(月) 14時0分

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20年以上経済の低迷が続いている日本にとって、Eコマースは貴重な明るい材料といえる。「日本のEコマースの最も堅固な要塞」の親会社がストリームグループであり、そのトップが正真正銘の中国人であることを知る人は少ないのではないか。

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企業の究極の目標は上場ではない

2000年、日本ではインターネットによる「通信販売」が消費者の間で急速に広がった。ネット上での販売ではどんなにもがいても売る側と買う側は顔を合わせられないし、消費者は購入前に実物を見ることもできないから、最終的には伝統的な百貨店業を補うものに過ぎないと多くの人が考えていた。しかし、劉海涛は「チャンスが来た。これは21世紀の新概念の流通革命だ」と判断した。

一般的な概念では「流通」とは物品の豊富な地域から不足している地域へと送ることだ。貨物の移動、人の運送の過程では、多くのコストがかかるだけでなく、多くのリスクもある。例えば、当時の日本の500ミリリットルのペットボトルは、製造コストに利益を乗せて出荷価格は10〜20円であるが、流通コストは約100円にも上る。人類は道路をグレードアップさせ、鉄道、自動車、船舶、飛行機などの輸送手段を発明したが、それは言ってしまえば流通コストを最大限節約するためである。しかし、IT革命は消費者の移動時間を節約し、需要と供給の情報を直接つなげ、貨物やサービスを最速で消費者に届けられるのだから、これが「流通革命」でなくて何だというのか。

「ネット通販」、これは現在誰でも知っているEコマースであるが、劉海涛はこれを自社の基盤とすることを決めた。その頃、「インターネット」はまだ多くの人にとって新しいおもちゃでしかなかった。「いかなる時も自身の独立した思考を持たなければいけない。『違い』で、特に大きな『違い』が現れたら、詳細にこれを研究し、そこから新しいチャンスを見つける。違うことをしなければ違う成果は得られないし、抜きんでた人間にもなれない」。

どんな業務をするにせよ、トップになるということは一番難しい。しかし、「ナンバーワン」にならなければ、ほかの人と同じだということだ。劉海涛は創業初日から「ナンバーワン」を目指した。2001年、株式会社ストリームは、ECサイトを立ち上げて、パソコンと家電を当初の切り口にした。「パソコンは男性の領域である書斎、家電は女性の領域であるキッチン」。この2種類の取り扱いで会社を成長させる基礎を築いた。2007年、わずか6年でストリームは業界リーダーとして東証マザーズに上場し、業界のレジェンドとなった。

ストリームは「幸運」にも恵まれ順風満帆に昇りつめたように見える。しかし劉海涛によれば、企業経営だけでなく自身の人生でも、無数の手に汗握る瞬間を経験したという。

会社設立してようやく2カ月たったころ大変なことが起きた。当時は香港向けに多くの商品を販売していたのだが、やがてメインの顧客が倒産の危機に瀕したのである。資本金わずか1000万円のストリームは、パソコンなど多くの商品を掛け売りしていた。売掛金が回収できなければ、会社は経営危機に陥る。夜8時にこの知らせを聞いた劉海涛は気が気でなかったが、ゲームをして頭を空っぽにし、無理やり眠った。

翌日の朝、劉海涛は急いで香港行きの飛行機に乗り、香港の有名なショッピングセンターに行き、急いで500万円相当のパソコンを回収した。その場が混乱したので、香港警察まで大勢駆けつけた。最終的に500万円程度の損失を出したが、会社は何とか生き延びることができた。「あれがわが社最大の危機でした」。

会社が上場したら、それは成功したということではないだろうか。劉海涛はそう考えない。「大多数の企業にとって、上場は自社が市場で認められ、投資者に受け入れられたことを証明するものだ。うれしくない、誇りに思わないといえば嘘になる。多くの企業が創業時に上場を王道と定めることに異議はない。しかし、真の企業家は上場を最終目標とはせず、資金を手に入れたらまた走るものだ。上場は企業を大きく成長させ、更に多くの価値を創出する手段ととらえるべきで、それでこそ真の企業家スピリットだろう」。

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