秋澤 文芳 2017年5月25日(木) 22時20分
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発展が続く「深セン」にて労働者への「突撃」インタビューを試みた。写真は深セン市。
発展が続く「深セン」にて労働者への「突撃」インタビューを試みた。
先月上旬、平日の午後、まだまだ外の空気は生暖かく町の雰囲気は活気に溢れた深センの中心部を離れ、地下鉄を利用し北の方面へ向かった。
街の中心部・羅湖を出発し、途中、老街にて乗り換えで約1時間。一般の観光客はめったに訪れることもない深セン北(列車)駅も通過した。通り過ぎる時に目を疑った。この北駅の巨大さに改めて驚いたのだ。
中国大陸内の高鉄・新幹線駅の大きさも皆、同じように巨大なハコモノに見える。切符売り場・待合室・通路等を含めた面積は東京や新宿駅の比ではない。なぜこのような巨大な建物を建造するのかと、大陸内の各地の駅を訪れるたびに考えさせられる。もう少し効率的な建物にはならないものかと。外から見ても、まるで「宮殿」のように感じるのではないか。
1時間近くの地下鉄の旅であったが、さらにタクシーに乗車し目的の工場に着いた。到着したこの場所こそが、今回の旅の最大のハイライトともなった現場である。そこは、多くのメディアで以前から注目されていたアップル・iPhoneの「富士康(鴻海)」の工場であった。あのシャープを買収した会社の巨大な工場だ。かつては50万人程の労働者を有していたが、現在は10万人余が働いている。多くは河南省へと移ってしまった。
高い塀に囲まれた工場の周りを1時間ほど歩きはじめた。塀に囲まれ、内部の様子はわかりにくいが、建物の中にはぎっしりと機械が積み込まれていることが見える地区もある。ここで、あのアップルの製品が数百万個単位で製造されていくのかと思うと、さらに内部を細かくのぞいてみたくもなる。
この不気味すぎる敷地内こそが多くの労働者を支え、中国全体の経済を引っ張るIT基地の代表的なところである。時刻はあっという間に夕方の退勤のころとなってしまった。多くの若い労働者が大きな工場のゲートからどっと大量に出てきた。10万人以上ともなると、まるでダムに溜まった水が堰(せき)をきって外側へ流れ出ていくような勢いで厳重に管理されているゲートからはじき出されていくようであった。
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