Record China 2019年8月14日(水) 20時20分
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中国メディアの人民網は14日、「上海ディズニーランドに4つの疑問:持ち物検査、ダブルスタンダードはなぜか」と題する記事を掲載した。写真は上海ディズニーランド。
人民網の記者が13日に現地を取材したところ、荷物検査は変わらずに行われていたという。記者が持ち込もうとしたパンは、スタッフからその場で食べるよう求められた。近くにいた4人家族は、検査場の脇で立ったまま寿司などを食べていたという。同様に、持ち込みを拒否されたということだった。父親は、「初めて来たので、食べ物の持ち込みが禁止されているとは知らなかった。駅の出口で買ったばかりの食べ物。捨てるにはもったいない」と話していたという。
また、大量のパンの持ち込みを拒否された来園客が「なぜかばんを検査するんだ。プライバシーの侵害だ」とスタッフに詰め寄る場面もあったという。スタッフが「ルールですから。ご協力ください」と答えると、来園客はスマートフォンを取り出し撮影。スタッフは「肖像権の侵害です」と動画の削除を求めるなど、押し問答が続いていたという。
来園客は「欧米では検査なんてされない。アジア人に対する差別だ」などと訴えたという。これについて前出の危弁護士は、「企業経営者には来園客のかばんの中身を検査する権利はない。わが国の法律では、これは権利侵害に該当する行為」と解説。邱弁護士も「消費者の人格や尊厳、個人のプライバシー権を傷つけている疑いがある。危険物を所持している疑いがあれば警察に通報し、警察の職権の下でかばんを検査すればいい。また、安全検査であれば構わない。安全検査はスキャンするもので、かばんを開いて中を捜索してはならない。上海ディズニーランドはかばんの中のものを一つひとつ取り出している」と指摘したという。
そして「疑問3」は、「食べ物の持ち込み禁止は園内の衛生環境を保つため?園内で販売されている飲食物は臭わないのか」とした。
記事によると、上海ディズニーランド側は食べ物持ち込み禁止について、「来園客が、臭いの特殊な、あるいは安全に問題のある食品を持ち込み、ごみ箱に捨てる可能性がある。当該規定は、園内の衛生環境と安全を維持するためにつくられた」と説明しているという。しかし、邱弁護士は「上海ディズニーランドはごみ箱を多く設置して(清潔を保ち)、来園客に利用を求めるなどすればいい。衛生面の負担が大きいからと、その負担を来園客に押し付けてはならない」と指摘したという。
また、ネット上では「衛生面が理由というのはおかしい。園内でも飲食物は販売されており、同じようにごみが出る。なぜ持ち込みを禁止するか。それは、園内の高い飲食物を売って稼ぎたいからだ」といった声も上がっている。
中国消費者協会法律理論研究部の陳剣(チェン・ジエン)主任は「園内で販売されている飲食物は高い。消費者には、園内の物を消費するか否かを選択する権利がある」とし、「企業の経営権は消費者の権利を奪ったり、制約したりする基礎の上に行われてはならない」と指摘。また、同協会の副秘書長兼広報担当の董祝礼(ドン・ジューリー)氏は「企業経営者には価格決定権があるが、それには条件がある」とし、「まず、定価とコストの比率が合理的であること。もう一つは、公平公正な市場秩序に影響しないこと」と指摘した。
最後の「疑問4」は、「誰がディズニーランドのダブルスタンダードを是正するのか。誰が消費者の権利を保障するのか」としている。
記事によると、今回の問題が物議を醸してから、消費者の間には関連部門の調査を望む声が相次いだ。人民網の記者が上海市市場監督管理局に問い合わせると、「状況を記録した。7営業日以内に問題について処理する」との回答が得られたという。
前出の危弁護士は「最高人民法院は2014年に、酒類の持ち込み禁止や、個室内で最低消費額の設定は無効であるとの判決を下している」「横暴であったり、非合理的であったりする規定については、行政処罰や責任についてさらなる明確化が必要」などと指摘しているという。
なお、14日午後3時現在、中国版ツイッター・微博(ウェイボー)の検索キーワードランキングで関連のワードが2位になるほどこの話題は注目を集めている。(翻訳・編集/北田)
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