Record China 2019年5月16日(木) 21時50分
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中国・新華網のウェブサイトに14日、「同じ『厳格』でも、ドイツ人と日本人はどう違う?」と題した、ある中国人筆者によるコラムが掲載された。
ドイツの一般家庭の、実験室のようなキッチンは見る人によく組織化されているという印象を与え、住んでいるのはロボットなのかと疑いたくなるほどである。彼らの家はとても清潔で、生活感すら感じさせない。もちろん床に少しでもほこりが溜まるとダメというほどではないが、このような生活環境は時にストレスを感じさせる。中にはご存知の人もいるかもしれないが、ドイツのスーパーマーケットで売られている野菜や果物には時として「大きさの誤差は5%未満です」という張り紙がしてあることさえある。この自信はドイツの農民の努力に裏付けられている。
また、ドレスデンの聖母教会は、戦争によって過去に1度破壊されている。しかし戦後のドイツ人によりその「残骸」が一つ残らず全て拾い集められ、まさに「廃墟からの再建」という言葉通りの復活を遂げた。他にも、ドイツでは交通事故を減らすため、市街地で時速20キロ、その他の道では時速30キロという制限速度が設けられている。これは中国の電動バイクにも及ばないような速度だが、高速道路では制限速度はない。
多くの中国人が、日本はごみが無く清潔だと褒めたたえるが、おそらくそれはドイツの様子を見たことがないからだろう。ドイツ人は学校に入学するとまず「環境保護」をたたき込まれる。日本ではごみの分別に重きが置かれ、どうやって低コストでリサイクルするかが重視されるが、ドイツではさらに根源的に、ごみ自体を減らしたり、包装をリサイクルしやすいよう工夫したりすることが重要とされている。
加えてドイツ人は「規格」から離れては生きられない。彼らの「規格化」の本能はどの産業にも組み込まれている。例えば紙の「A4サイズ」規格や階段の段差の間隔に至るまで、今日われわれが日常的に接している規格の多くはドイツが発祥である。国際的な機械製造規格として採用されている「ドイツ規格協会」の規格(DIN)は、機械、化学品、自動車、サービスといったあらゆる産業項目3万項以上を網羅しており、「ドイツ製造産業の礎」と言える。
ドイツ人の規格への依存、追求及び遵守は必然的に精度の追求につながっている。そして精度の追求は、巡り巡って規格にさらなる精度向上をもたらすのである。
一方で、対する日本の「厳格さ」は文科系由来と言って良いだろう。日本人とドイツ人の「厳格さ」の違いは、「転ばぬ先の杖」「事の大小を問わない」といった「極致化」の精神にある。
日本では仕事のプロは「職人」と呼ばれる。大和民族は「職人」という言葉で「一生をかけて脇目も振らず一つのことに注力し、技術を向上させようとする人」を指し、他にも「一生懸命」そして「一筋」という言葉を作り出して、こういった人々の精神的な特徴を説明しようとした。
「すしの神様」と称される小野次郎氏のことは、誰でも聞いたことがあるだろう。同氏のすしへの執着は、最高の食材を追求することにとどまらず、温度、食感、調理手順や水質の管理にまで及ぶ。同氏はタコの食感を柔らかくするために、最低でも40分はもんでから客に提供するという。また、すしが客の口に入るとき、その温度が人の体温と同じになるように、というところまでこだわる。それゆえ同氏が握る寿司は、客に「一生待ってでも食べたい」とまで言わしめるのだ。
また、「転ばぬ先の杖」という発想は日本人の「厳格さ」の最大の特徴とも言える。あらゆる可能性を考慮して絶え間なく自己の商品を改善するために、日本人は思考を尽くしている。日本のトイレで不快な音が他人に聞こえるのを防ぐために付けられている「音姫」などは良い例だろう。
この「極致化」と「転ばぬ先の杖」は、「事の大小を問わない」精神にまでつながっている。日本人は全ての事象を「重点」と見なし、起こる可能性の低いことに対しても多くの時間を浪費するが、これはドイツが指標を決めて重要な部分に時間を注ぐのとは対照的である。日本の樹研工業は、1998年に世界で初めて10万分の1グラムの歯車を6年もの歳月を費やして開発し、2002年には「パウダーギア」と称される100万分の1グラムの歯車の生産に成功した。このギアはこれまでまだ1度も産業に応用されていないが、同社はこの使用用途の無い商品の開発に、すでに2億円を投入している。この事例は、同社が日本人の「完璧」を追求する精神を体現しているという証明に他ならないだろう。
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