岩田宇伯 2018年11月8日(木) 13時20分
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ある日、知人から「なんか、こっちに台湾人からメールが来てるんだけど、どうしよう」と連絡を受け、内容を転送してもらうと、コミックの日本語版を出したいから筆者とコンタクトを取りたいらしい。面白そうなのでコンタクトしてみた。写真は筆者提供。
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【その他の写真】
このときの騒ぎで『中国隊長(Captain China)』を読んでみた人もいると思うが、今回筆者も第1話から読んでみたところ、非常に楽しい作品で、思わずニヤリとするような暗喩(あんゆ)が散りばめられており、上手いところを突いているなというエピソード満載だ。おもしろいのでとにかく一度読んでみて、と声を大にして言いたい。
あまりネタバレになるので多くは説明しないが、1950年代、毛沢東の大躍進政策で超人に改造された主人公が、冷凍保存されたのち、現代によみがえり大活躍するというものだ。キャラ自体は作者が長年関わってきたアメコミ界で有名なキャラ「キャプテン・アメリカ」のオマージュであるが、これを中国のいろいろなネタと絡ませ独自の世界観を構築。過去から来たので現代社会とのギャップをネタにしたり、実在のオバマ大統領(画像1)やダライ・ラマが登場したり、日本の戦隊ヒーローが上海の街を破壊する(画像2)など破天荒なストーリーをアメコミ画風で表現している。アメコミ好き、中国クラスタどちらの人にも楽しく読める内容となっているので、ぜひ一度ご覧になっていただきたいと思う。
低解像度であるが、第1話の英語版と中国語版がExcel Comicsのサイトにて無料公開されている、高解像度版は1話あたり1ドルでおなじくExcel Comicsのサイトにてダウンロード販売中だ。
【そして今Excel Comicsは日本に注目】
冒頭のメールの件に戻るが、何度かのメールのやり取りで日本語版はすでにプロジェクト進行中、原稿もかなり進んでいるということがわかった。サンプル原稿の一部を見せてもらったが、英語・中国語が苦手な人にもわかりやすくなっている。もう少し日本語監修を加えれば十分商業出版で通用しそうである。
これは推測であるが、拙著『中国抗日ドラマ読本』が中華圏に続き日本でも一部界隈で話題となったことから、中国ネタのサブカル市場が日本に十分あると見越しての判断ではないかと思う。もちろん規模的には大したことはないマーケットなのだが、中国クラスタで十分盛り上がれば出版社としても商売ベースでOKということなのであろう。以上つらつらと『中国隊長(Captain China)』に関して書いてみたが、重要なことなのでもう一度繰り返すと、おもしろいので是非読んでみてほしい。そしてできれば感想をSNSなどでつぶやくことで、この小さな出版社を日本からも盛り上げてみてはいかがだろうか?
■筆者プロフィール:岩田宇伯
1963年生まれ。景徳鎮と姉妹都市の愛知県瀬戸市在住。前職は社内SE、IT企画、IT基盤の整備を長年にわたり担当。中国出張中に出会った抗日ドラマの魅力にハマり、我流の中国語学習の教材として抗日作品をはじめとする中国ドラマを鑑賞。趣味としてブログを数年書き溜めた結果、出版社の目に留まり『中国抗日ドラマ読本』を上梓。なぜか日本よりも中国で話題となり本人も困惑。ブログ、ツイッターで中国ドラマやその周辺に関する情報を発信中。twitterはこちらブログはこちら
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