黄 文葦 2017年2月14日(火) 15時40分
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1月28日から2月4日まで、私は故郷である中国の福建省福州市に滞在した。つまり、今年の旧正月の最初の一週間、中国で過ごしていた。筆者撮影。
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今回、私は古い友人と一緒に福州市郊外の山中にある宦溪鎮宦溪村を訪れた。私にとって、そこは思い出の場所であった。日本に来る前、私は1年間こちらの中学校で講師の仕事をしていた。当時、村は貧しかった。ほとんどがぼろぼろの建物で、山に点在していた。学校に通うことができない子どももたくさんいた。
この十数年間、山の模様が大きく変わってきた。新しい家並みができている。都会の高層マンションと違って、中国の伝統的なスタイルの広い一戸建が多数ある。
私と友人はいくつかの家を見学した。田舎では家の多くが鍵をかけていない。誰でも自由に入れる。田舎の人情は厚くて素朴である。初対面にもかかわらず、どの家の人も私たちを温かく迎えてくれた。「どうぞ、自由に入ってください」「ご自由に遊んでください」と言ってくれた。大きな庭の中、さまざまな野菜が植えられている。ニワトリ・カモなど家畜もいる。池の中では、金魚が泳いでいる。このような悠々自適な環境の中で、ゆったりと過ごすことが理想的な老後生活ではないかと思った。
十数年前、私が日本に初めて来た時、日本の田舎の豊かさに驚いた。立派な家が多いし、静かだし、都会より田舎のほうが快適だと思った。しかも、都会と田舎、生活レベルの差があまりなさそうである。
中国では「城郷差別」という都会と農村の格差を指す言葉がある。かつては両方の生活レベルの差があまりにも大きかった。農村の人が都会を憧れ、命を削ってでも都会に働きに出たいという状況だった。
現在、経済的に豊かな地域では、「城郷差別」が徐々に縮んでくるとみられる。都会の空気が良くないので、人びとがどんどん田舎に戻ってくる…それは中国社会の大きな変化のひとつだと言える。もちろん、中国の田舎もいろいろある。豊かになった田舎が徐々に増えてきたが、貧しい田舎もまだたくさん存在している。地域間の貧富の格差はまだ大きいのだ。
急速な経済成長が一段落した途端に都会の空気が悪くなった。その代償は大きいと言える。休日、都会から田舎への道で長い車の列ができている…田舎が徐々ににぎやかになったことに喜び半分、心配半分である。田舎の澄んだ空気が汚れないよう願っている。現在、田舎の人気ぶりからわかる大きな課題はやはり国全体の環境汚染である。
■筆者プロフィール:黄 文葦
在日中国人作家。日中の大学でマスコミを専攻し、両国のマスコミに従事。十数年間マスコミの現場を経験した後、2009年から留学生教育に携わる仕事に従事。2015年日本のある学校法人の理事に就任。現在、教育・社会・文化領域の課題を中心に、関連のコラムを執筆中。2000年の来日以降、中国語と日本語の言語で執筆すること及び両国の「真実」を相手国に伝えることを模索している。
在日中国人作家。日中の大学でマスコミを専攻し、両国のマスコミに従事。十数年間マスコミの現場を経験した後、2009年から留学生教育に携わる仕事に従事。2015年日本のある学校法人の理事に就任。現在、教育・社会・文化領域の課題を中心に、関連のコラムを執筆中。2000年の来日以降、中国語と日本語の言語で執筆すること及び両国の「真実」を相手国に伝えることを模索している。Facebookはこちら「黄文葦の日中楽話」の登録はこちらから
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