映画「君たちはどう生きるか」口コミは両極化、ジブリで最も深い作品と考える人も―中国メディア

Record China    2023年7月21日(金) 11時0分

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18日、中国メディアの瀟湘晨報は宮崎駿監督の最新作「君たちはどう生きるか」について、「口コミは両極化、ジブリ作品で最も深い作品と考える人も」と題する記事を掲載した。

2023年7月18日、中国メディアの瀟湘晨報は、宮崎駿監督の最新作「君たちはどう生きるか」について、「口コミは両極化、ジブリで最も深い作品と考える人も」と題する記事を掲載した。

記事は「宮崎駿監督の勝負手の作品ともいわれる『君たちはどう生きるか』がこのほど日本で公開された」とした上で、「久石譲が音楽を、米津玄師が主題歌を担当した。木村拓哉、柴咲コウ、菅田将暉などが声優を務め、豪華なキャスティングは宮崎監督の最終(となる可能性のある)作品という色を帯び、多くの人がチケットを購入した」とした。

続けて、「同作鑑賞後、多くの観客が感想を共有している」とし、ネットユーザーのジェイソンさんが「この作品は過去作までの視点で評価することはできず、最も深みがある。ストーリーの枠組みの中心に芸術作品的な要素が眠っている。自分は主人公の母親が最後に告げた言葉が好きで、運命に対する妥協と悟りを感じた」と評する一方、別のユーザーからは「『千と千尋の神隠し』や『ハウルの動く城』、『風立ちぬ』を見に行くつもりで行ったらがっかり。自分は同作を鑑賞するにふさわしくなく、全然理解できなくて寝てしまいそうだった」との意見が出ていると紹介した。

記事によると、同作を鑑賞した厭さんは「もし同作を宮崎監督の自伝作品とみなすのであれば、作中に登場する母親の人物像は宮崎監督の実際の経験に由来する可能性が高い。宮崎監督の母親は早いうちに肺がんで亡くなっており、『となりのトトロ』や『崖の上のポニョ』と同様に、母親を亡くした無念が作中に込められている。宮崎監督は同作を自伝とし、自分の母親に別れを告げたかったのだろう」と推察した。

また、前出のジェイソンさんは「個人的にはこの作品をより広い角度から理解できるような気がする。宮崎監督自身も主人公のように完璧な世界を作るという考えを抱いていたのではないか。しかし、人生経験を重ねるごとに現実と理想の違いが見えたため、現実に直面し、今までの作品と同様、勇気をもって世界に向けて愛と平和を伝えることを選んだのだろう」と述べた。

記事は、「賛否両論もある中、宮崎監督は10年前から『勝負手の作品』や『最後の作品』と言っていたと冗談めかして指摘する人もいる」と言及し、ネットユーザーの停電さんが「彼はもう82歳になった。この作品こそ本当に最後だと思う。作品全体から名残惜しい雰囲気を感じたし、かつての作品の要素が満遍なく入っており、前例がないくらいに力が入っていた。まるで別れを告げているような気がした」と述べたことを紹介。また、同作の全体的な評価について、厭さんが「作画は一貫した水準を維持しており、音楽も主題歌もとても申し分なく、総合的に見て良い映画だ」と評したことを伝えた。

そして、「最新作『君たちはどう生きるか』は宮崎作品の集大成なのか、吉野源三郎氏の原作書籍『君たちはどう生きるか』の再解釈なのか。映画の隠喩や視聴者の考察は一体どれが正しいのだろうか」とした上で、ネットユーザーの雲巻巻さんの「この映画は人々に大々的に開かれているような気がしており、どんな人の考察や理解も全て正しいと思う」とのコメントを紹介。「多くの観客の疑問に宮崎監督本人はどう思っているのだろうか」と提起した上で、2月下旬の試写会の際に宮崎監督が「おそらく、訳が分からなかったことでしょう。私自身、訳が分からないところがありました(原文ママ)」と語ったことを伝えた。

記事は最後に、「『君たちはどう生きるか』は観客への問いであり、同時に宮崎監督自身も抱える疑問なのかもしれない」と締めくくった。(翻訳・編集/柳朱音

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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