<写真特集>中国の伝統工芸「油紙傘」、職人が受け継いできた手作業の歴史

郭徳明   2016年8月26日(金) 15時0分

中国に「油紙傘」と呼ばれる伝統工芸品がある。長年、企業広告に携わってきた郭徳明は四川省瀘州市分水嶺郷の制作現場をカメラに収めた。

中国に「油紙傘」と呼ばれる伝統工芸品がある。日本で言う番傘のようなものだろうか。油紙傘には中国的要素がふんだんに盛り込まれている。長年、企業広告に携わってきた郭徳明(グゥオ・ダーミン)は四川省瀘州市分水嶺郷の制作現場をカメラに収めた。

分水油紙傘は2008年に国家級無形文化遺産リストに加えられた。傘は職人が手作業で丁寧に作り上げる。その歴史は考証が困難なほど遠い過去にさかのぼるが、少なくとも明・清の時代には広く生産されていた。「黄金期」と呼ばれるのは1940〜50年代。最盛期は瀘州地域に大小100以上の作業場があったが、70年ごろから洋傘に取って代わられるようになった。ただ、油紙傘が地元の誇りであり、「顔」であることは今も変わらない。(編集/野谷

●郭徳明(グゥオ・ダーミン)

1952年11月、中国甘粛省に生まれる。1970年に中国石油蘭州石化公司に入社し、1974年から創作の道に。企業広告や宣伝などに携わり、退職後の現在は甘粛省撮影家協会会員として活動。近年はデジタルカメラでの撮影に精力的に取り組んでおり、「テーマの選択はそれに対する自分の認識と感悟があって初めてできる。自分の心の扉を開くような情景に出会い、納得できるシーンやテーマを捉えること。これが私にとって最大の収穫であり満足」と語る。ハンドルネームは「緑色風暴」「黄河浪」。

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