<写真特集>台湾レジャー施設の火災事故から1年、被害者の肉体に刻まれた記憶

李天賀   2016年7月4日(月) 20時9分

台湾新北市のウォーターパーク「八仙水上楽園」で起きた火災事故から丸1年が過ぎた。台湾出身のカメラマン、李天賀が被害者の魂と肉体の変化を記録に残した。

台湾新北市のウォーターパーク「八仙水上楽園」で起きた火災事故から丸1年が過ぎた。2015年6月27日、カラーパウダーを投げ合うイベントに参加していた人々を炎が襲い、15人が死亡、500人近い人がやけどを負った。時間の経過とともにこの悲劇も忘れ去られようとしているが、被害者の体に残されたやけどの跡は事故の恐怖をわれわれに絶えず訴え掛けている。1985年に台湾雲林県に生まれたカメラマン、李天賀(リー・ティエンホー)が被害者の魂と肉体の変化を記録に残した。

「撮影は被害者の中に友人がいたことがきっかけ」。本人によると、頻繁に見舞いに来る李に友人が「記念に写真を撮ってほしい」と言い出したことで、「被害者を被写体にしたい」という思いが浮かんだという。李の呼び掛けに応じたのは24人。撮影現場で身に付けていたものを脱いだ彼らの体には、言葉では表現できないほどの痛々しい傷跡が現れる。被写体となったどの被害者も、立ち続ける、座り続けるといった姿勢を保つのが困難だ。ただれた皮膚には常に虫にかまれたようなかゆみがあり、「自分が動き回るしかなかった。撮影時間も最大30分程度に抑えた」と李は振り返る。被写体がかゆみに手を伸ばすのを止めた瞬間を狙っての撮影だった。

事故は被害者の生活を大きく変えた。通りすがりの人が赤く盛り上がったその皮膚に無遠慮な視線を向けたり、嫌悪感すら示したりする。傷を負った彼らの最大の願いは体のコンディションを整え、以前のような生活に戻ることだ。李は6月に台湾で開催した個展に、「彼らの現在の姿を知ってほしい。より多くの支援を提供してほしい」との思いを託した。(編集/野谷

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