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中国当局は台湾の与党・民進党の立法委員を「国家分裂」を理由に立件すると発表。台湾の裁判所は中国に内応し武装組織の設立を企てた元陸軍中将に懲役7年6月の判決を言い渡した。写真は台湾総統府。
中国の重慶市公安局は10月末、台湾の与党・民進党の沈伯洋立法委員(国会議員)を「国家を分裂させる犯罪活動」に従事したとして立件し、捜査することを決めたと発表した。一方、台湾高等法院(高裁)は中国に内応する武装組織の設立を企てたなどとして、元陸軍中将に懲役7年6月の判決を言い渡した。
台湾・中央通信社によると、重慶市公安局は沈氏が台湾独立・分裂組織「黒熊学院」を立ち上げたなどと主張。刑事責任を追及するとした。中国で対台湾政策を担う国務院台湾事務弁公室は昨年10月、沈氏を「頑迷な台湾独立分子」の名簿に登録したと発表していた。
これに対し、台湾で対中政策を担う大陸委員会は法治文明の最低ラインを超えているとしたほか、中国には台湾に対していかなる管轄権も持っていないと批判。「台湾人民は中華民国憲法に基づき、剥奪されない自由と権利を享受している」と強調し、「中国が独立勢力を懲らしめるといった名目で越境的な圧力を加え、台湾社会を分断、威嚇する企ては成功しない。台湾の人々は中国の干渉やどう喝などを受け入れない」と反発した。
さらに「中国は最近、台湾人の処罰を相次いで公表し、住民らに通報を呼び掛けるなどしており、両岸(台湾と中国)間の交流や往来で予期せぬリスクが大幅に高まっている」と指摘。中国の一部機関が台湾人を違法に逮捕または職権を乱用して身柄拘束する恐れがあるため、訪中前には慎重にリスク評価を行うよう求めた。
台湾で国家安全法違反に罪に問われた元陸軍中将と交際相手の女は2010年、個人的な経済的利益を得る目的で台湾での武装組織設立を画策。女は中国側との連絡を担当し、元中将は現役または退役軍人の取り込みを試みた。
2人は23年2月以降、複数回訪中し、共産党や政府関係者と面会。指示や資金援助を受けてシンポジウムなどを開催し、現役軍人と接触を図るなどしたが、協力を得られず組織設立は未遂に終わったとされる。
高等法院の広報担当によると、合議法廷は中国が域外敵対勢力の政府として長年にわたり軍事的脅威や情報工作、統一戦線工作などを通じて台湾の自由民主主義と憲政秩序、社会の安定に干渉し、破壊しようと企てていることを2人は認識していたと認定。「国家安全法に違反していると判断した」という。(編集/日向)
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