2014年はソチ五輪、ブラジルW杯、仁川アジア大会など、多くの国際的なスポーツ大会が注目された年だった。その中から、日本、中国、韓国に関わる出来事を振り返る。4件目はソチ五輪のショートトラックで起きた騒動。

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2月14日、ソチ五輪ショートトラック女子500メートルが行われ、アリス・クリスティ（英国）、パク・スンヒ（韓国）、アリアナ・フォンタナ（イタリア）が接触により相次いで転倒し、この種目が専門ではない中国の李堅柔（リー・ジエンロウ）が優勝した。しかし、この結果に納得がいかない韓国メディアは「中国選手が、韓国がほぼ手中に収めていた金メダルを強奪した」などと報じた。

そして、韓国人の怒りの矛先はパクに接触して転倒させてしまったクリスティに向けられた。レース後、クリスティは自身のフェイスブックで「接触は故意ではなかった」と謝罪しパクに敬意を表したが、怒りの収まらない韓国ユーザーからは非難が殺到。殺人予告ともとれるコメントまで書き込まれたことから投稿自体を削除した。

クリスティはその後、ファンへ向けたメッセージを投稿したが、そこにも「パク・スンヒの金メダルを奪った」「彼女の4年間を台無しにした」「韓国人はお前を永遠に許さない」など批判コメントが多数寄せられ、SNSのアカウントを削除した。英メディアによると、クリスティは「多くの脅迫と威嚇を受けている。つらくて、耐えられない」と漏らしていたほどだという。

この騒動に、国際オリンピック委員会（IOC）も反応。英国の記者から訴えを受けたIOCのマーク・アダムス広報部長は、「確かにひどい。SNSにはこのような欠陥があり、時に人の心理を攻撃する。英国オリンピック委員会（BOA）に、同選手に対する支持と援助を求める。この一件が、クリスティ選手に大きな傷を負わせないことを願っている」と述べた。

これについて、中国ネットユーザーからは「悪意のない反則をここまで責める必要はない」「競技レベルの差のほかに、人格の差も出たな」「英国の選手がかわいそう。泣かないで、私たちはみんなあなたの味方よ」「だから次の五輪をこんな国でやるのが間違いなのだ」といったコメントが寄せられた。一方で、「韓国を罵倒するのは、素養ある行為か？同じことが中国選手に起きたら、中国人は相手選手を罵倒するんじゃないか？韓国人の素養を言う前に、自分に素養があるか考えた方がいい」と戒めるコメントも見られた。（編集/北田）