中国はロシアが倒れることを望んでいない―中国メディア

Record China    2014年12月19日(金) 14時54分

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19日、原油価格の下落とルーブルの急落によってロシア経済は今世紀に入って最も困難な境地に置かれている。ルーブルは15日、対ドルで8%下落。今月16日にはさらに急落し、世界的な事件となった。写真はロシアのデパート。

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2014年12月19日、原油価格の下落とルーブルの急落によってロシア経済は今世紀に入って最も困難な境地に置かれている。ルーブルは15日、対ドルで8%下落。今月16日にはさらに急落し、世界的な事件となった。今年ルーブルの価値は50%以下に下落し、ウクライナの通貨フリヴニャを上回る、世界で最も不安定な通貨となった。ロシア経済を支える力強い要素は現在見られず、今後どうなるかは予測困難だ。

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ソ連崩壊が1980〜90年代の原油価格長期低迷期に起きたことを多くの人は連想する。さらなる経済危機はプーチン政権を試練にさらすと指摘する声もある。西側メディアはプーチン大統領の「強硬姿勢」が手痛い打撃をこうむると次々に予測。戦略的に「守勢と自己防衛」に転じると分析するものもあれば、「さらに過激になる」ことを懸念するものもある。

ロシア経済・社会は1990年代のソ連崩壊当初よりもさらにひどい状況になるのだろうか?これは興味深い問題だ。当時と比べ、ロシアの工業・農業生産能力に大きな変化はない。新しく増えた不利な要素は西側の制裁と露米対立の先鋭化だ。ソ連時代と比べ、ロシアの全体的国力は大幅に下降し、戦略の幅も狭まった。

今日のロシアにとって有利な要素は、社会の結束力が高まり、プーチン大統領の威信が高いこと、そしてソ連崩壊でひどい目にあったことから、ロシア国民が国家の困難に対して冷静かつ合理的な考えを持っており、西側に対してもう幻想は抱いていないことだ。

中国はロシアの戦略環境にとって最大の変数だ。ソ連崩壊前後、中国は国際的地位が低く発言力も弱かったが、現在では世界の戦略構造における新しい広大な天地となっている。このため西側ではなく東側に目を向けることがロシアにとって現実的選択肢ともなっている。

すでに中露関係はロシアが戦略上のリスクに対抗するうえで鍵となる条件の1つと見なされている。中国社会の観点からは、ここには整理し、明らかにする必要のある点がいくつかある。

(1)中露戦略協力はイデオロギーによる作品ではもうなく、両国の国益の相互作用による傑作だ。米国と西側に弱みを見せないロシアは中国と国益面で策応し、中露は互いを必要としている。これは背中合わせの戦略関係だ。

(2)中国には肝心な時に、肝心な分野でロシアを支援する能力がある。だが中国の対露支援はロシア政府から要請があった時に、正常な国家間協力の形で行われるべきだ。中国はロシアを高度に尊重し、ロシア社会におけるプーチン大統領の威望を守る必要がある。

(3)今回の危機のたゆまぬ深化は、ロシア社会の戦略観にとって新たな試練となる。ロシアが危機のために中国に接近し続けるというのは仮説に過ぎず、不確定性が多い。中国が中露両国の根本的利益にプラスの影響力を与え、誘導することができるかどうかも試されることとなる。

中国はすでに一挙手一投足が全局面に影響を及ぼす世界的経済大国だが、これまでに発揮してきた政治的影響力は多くが間接的なものだった。ロシア危機は経済的側面が強いが、その今後の行方は世界の政治に関わってくる。現在各国が騒がしいなか、中国は声を発していないが、遠くへ行ったわけではない。中国はロシアが倒れることを望んでいない。この姿勢は全世界がよく分っている。(提供/人民網日本語版・翻訳/NA・編集/武藤)

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