日本人の読書神器「文庫本」、発祥は日本ではなかった―中国紙

Record China    2014年11月30日(日) 22時57分

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28日、日本人の読書好きはよく知られている。一方の手でつり革につかまり、もう片方の手には本を持ち、電車の揺れに身を任せ、読書に集中している乗客の様子は、日本の地下鉄車内の典型的な光景だ。

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2014年11月28日、日本人の読書好きはよく知られている。一方の手でつり革につかまり、もう片方の手には本を持ち、電車の揺れに身を任せ、読書に集中している乗客の様子は、日本の地下鉄車内の典型的な光景だ。日本人によく読まれている書物の代表は「漫画」「教科書」「文庫本」の3種類のようだ。紙表紙でできた小型の文庫本は安く携帯しやすいことから、多くの日本人に愛されている。環球時報が伝えた。

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●文庫本の発祥はドイツ

文庫本はもともとドイツからやって来た。ドイツで最も伝統ある出版社のひとつであるレクラム出版社は1828年の創業当初、国家文化の素養向上を図り、廉価の書籍を出版し、一般国民に読書の習慣を広めようと考えた。だが、著作権に関する問題に行く手を阻まれ、なかなか実現できなかった。1867年、ドイツ国家が「著作物の原則的保護期間は著作者の没後30年後に終了する」と定めた。レクラム社は同年、文学、科学、哲学など各ジャンルの廉価書籍を出版、これらは「レクラム文庫」と呼ばれた。

岩波書店の創始者・岩波茂雄氏は、この「レクラム文庫」に大いに啓発された。岩波書店は1927年、多くの日本人に古典的価値を持つ書物を広く読んでもらおうと、高価で分厚い大著を薄い小さな書物に簡素化し、「岩波文庫」と名づけて世に送り出した。他の出版社も続々とこれに倣い、新潮文庫、角川文庫、中公文庫などが発売され、文庫本出版ブームが巻き起こった。

●アイスクリーム数個分のお金で買える文庫本

文庫本が日本で大々的に普及すると、その内容も豊かになってきた。若者向けの漫画や小説のほか、政治評論、企業マネジメント、社会問題などありとあらゆるジャンルの書物が続々と登場した。文庫本のページ数は約300ページ。分厚いハードカバーの名著や専門書の場合は上下2冊に分けて文庫化されるのが一般的で、持ち運びがしやすく、買いやすくなっている。

文庫本の価格は大体700円から800円と、単行本に比べるとかなり安い。新刊書をすぐにでも買って読みたい場合以外は、中古の文庫本なら100円で手に入るものが多い。これはアイスクリーム1個と同じ値段だ。また、文庫本は駅の売店やコンビニなど、どこででも購入できる。

●文庫本専用の書棚やブックカバーも人気

文庫本ファンには関連商品にまでこだわりを持つ人も多い。まず挙げられるのは、文庫本専用の革製カバーだ。文庫本は持ち運ぶことが多いため、紙質の表紙では弱く破損しやすい。このため、文庫本専用カバーが市場に登場した。カバーの材質は布製や革製などで、カバーで文庫本を保護すれば、本は傷みにくく、カバーは繰り返し使うことができる。

このほか、日本には文庫本専用の書棚もあり、A6サイズの文庫本がピッタリ収まるサイズになっている。なかには、サイズが普通の本棚の約半分の書棚もあり、所蔵本が多い場合は同じ書棚を2個買って、積み重ねて1つの書棚にすることもでき、スペースの節約になる。さらには、階段の踊り場に置けるタイプもあり、場所を取らず、インテリア効果もアップ、人気が高い。

これ以外の文庫本関連商品に、文庫本ノートや「マイブック」がある。文庫本ノートは、外観は普通の文庫本と同じだが、中身は普通のノートと変わらない。「マイブック」は、文庫本ノートの仲間だが、1ページごとに日付が印刷されており、日記帳のようだ。文庫本サイズの日記帳という斬新なアイデアが文庫本ファンに大受けした。(提供/人民網日本語版・翻訳/KM・編集/TF)

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