男女比のアンバランスがもたらす経済成長―中国メディア

Record China    2014年10月29日(水) 23時45分

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29日、中国の15〜30歳の青年層をみると、男女比のバランスが崩れている。1.15対1なのだ。つまり、青年男子の9人に1人は結婚相手を見つけられない。写真は湖南省株洲市「愛の横断歩道」。

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2014年10月29日、中国の15〜30歳の青年層をみると、男女比のバランスが崩れている。1.15対1なのだ。つまり、青年男子の9人に1人は結婚相手を見つけられないということになる。こうした社会現象は経済成長率を少し引き上げている。成都商報が伝えた。

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アジア開発銀行(ADB)の魏尚進(ウェイ・シャンジン)チーフエコノミストは取材に答える中で、「今後10年間、男女比のアンバランスが中国の経済成長に与える影響は、拡大こそすれ縮小することはない」と述べた。

▼男女比のアンバランスで企業家が増える

魏チーフエコノミストは今後10年間の経済成長のペースについての質問に対し、「中国の都市の経済情勢を決定づける要因は主に2つ。一つは構造的基本的側面であり、もう一つは周期だ。だが周期が経済に与える影響を判断することは難しい上に、あまり意味のないことなので、今は構造的基本的側面に重点を置く。すなわち『潜在的な成長』だ。潜在的な成長のペースに影響を与える要因には、人口構造、投資・貯蓄、生産効率などがある」と述べた。

人口構造について魏チーフエコノミストは、「中国の15〜30歳の青年層は男女比のバランスが崩れており、男子の9人に1人は結婚できない。こうした社会現象が経済成長率を少し引き上げることになる」と話す。

男子や男子の両親は独身にならないように、様々な方法を考え、金も使って自身の結婚市場での競争力を高めなければなければならない。この競争では、相対的に資産が重要になり、資産があれば相手を見つけやすい。これは2つの点で経済に影響を与える。1つは男子が仕事に精を出し、残業するようになるということ。もう1つは冒険心が起こり、起業欲が生まれ、企業家になろうとする人が増えることだ。企業家になると、ハイリスクだが高収入を得られる可能性がある。これら2つの点が経済成長を上向かせる効果をもたらすとみられる。

魏チーフエコノミストは、「今後10年間は、若年層の男女比のアンバランスが引き続き悪化していくとみられる。国税調査のデータからわかることは、今年5歳と10歳の子どもの男女比のバランスはさらに崩れているということだ。よって中長期的には男女比のアンバランスが中国の経済成長に与える影響は、拡大することはあっても縮小することはない」と話す。

▼結婚市場の競争力が不動産価格を押し上げる

魏チーフエコノミストは不動産価格について、「不動産市場に影響する要因には、構造的要因、投機的要因、周期的要因の3つがある。投機と周期の2点は不動産価格を短期的に上下動させ、調整を行うなら主にこの2点から始めることになる。構造的要因は不動産を支える基本的な側面であり、調整は難しい。男女比のアンバランスは不動産の構造調整に影響する要因の一つであり、重要だ」と述べた。

農村部でも都市部でも男女比のアンバランスが深刻な地域では、深刻でない地域よりも不動産価格が高い。研究の結果わかったことは、1997年から2007年までの間の中国の貯蓄の増加分の約50%は、性別のアンバランスによってもたらされたということで、不動産価格上昇の30%はこのことを踏まえて解釈できる。中国の不動産価格は長らく調整が行われているが、大幅で持続的な低下現象はまだみられない。不動産価格はなぜ下がらないのだろうか。マクロ調整の力不足だけに原因を押しつけてはいけない。男女比のアンバランスは過去5年間変化していないし、今後10年も引き続き悪化するとみられる。これは頭に入れておかなければならない点だ。

「硬直的需要」(値段の影響を受けにくい需要)が不動産価格を押し上げているのだろうかという問いがある。

魏チーフエコノミストはこの問いに対し、「硬直的需要であれば、農村の人口が都市部に移転した場合、住宅ニーズは家を買ったり借りたりすれば解消される。この場合、不動産購入価格と不動産賃貸価格は同時に上昇するはずだが、実際には購入価格の対賃貸価格比が上昇している。このことは男女比のアンバランスで説明できる。結婚したいと考える男子にとっては、家を借りようが買おうが住居問題の解決という点では同じことなのだが、結婚市場における相対的な資産の競争力ということを考えると同じとはいえない。競争が繰り広げられた結果、購入価格と賃貸価格との開きがますます大きくなったのだ」と述べた。(提供/人民網日本語版・翻訳/KS・編集/kojima)

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