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4日、独ドイチェ・ヴェレは、中国がレアアースを「戦略武器」としているという「レアアース脅威論」は誇張されたものだとするドイツメディアの報道を紹介した。
2025年10月4日、独国際放送局ドイチェ・ヴェレの中国語版サイトは、中国がレアアースを「戦略武器」としているという「レアアース脅威論」は誇張されたものだとするドイツメディアの報道を紹介した。
記事が紹介したのは、独紙フランクフルター・アルゲマイネの評論文章。文章は、レアアースが中国の強力な地政学的な武器、西側諸国を屈服させるほどの戦略的資源として扱われているしつつ「欧米の対中レアアース依存は想像しているほど深刻ではない」と指摘。西側による「レアアース恐怖症」には事実の裏付けがないとの認識を示した。
そして、ニュースでよく話題になるレアアース原料(金属態)について「欧州連合(EU)が輸入するレアアースの総額約750万ドル(約11億5000万円)のうち、中国からの割合は70%近いものの、EUの貿易総額から見れば完全に無視できる水準だ」と指摘。米国の場合も同様に金額ベースではわずかであり、地政学的な武器とするにはあまりに小さな取引量であることを説明した。
また、ハイテク産業で直接使われる磁石などのレアアース合金では、輸出価格の高さからEUや米国がむしろ中国より優位に立つ状況にさえあると主張。EUは中国から原料を輸入しつつも、高度に加工した合金をより高価な製品として輸出しており、経済的に見ると中国への依存はないとしたほか、米国に至っては中国への合金の輸出額が原料輸入額を大幅に上回っており、中国の方が米国に依存していると伝えた。
さらに、中国のいうレアアース加工の「独占的地位」は、実は一次加工段階のみを指すものであり、より重要な工業製品の分野では優位性がないと指摘したほか、中国が自国の電子産業の巨大な需要を満たすため、レアアース合金の分野で輸入超過に陥っていることにも言及。レアアースをめぐる中国と欧米の関係は「中国の一方的な優位」ではなく相互依存であるとし、中国がレアアース輸出を制限すれば、最も深刻な打撃を受けるのは、その部品を利用する中国自身の製造業なのだと論じた。
文章は、中国が15年ほど前にレアアース輸出量を半減させ、価格が短期間で最大10倍にまで急騰した際、西側工業界がすぐに代替製品の開発や材料の節約に着手し、約2年で価格が元に戻ったと紹介。現在の状況は当時よりも中国にとって不利であり、すでにレアアース合金を輸入する側となっている中国が、経済的な観点から当時と同じ輸出規制戦略を繰り返すことは極めて困難だと結論付けている。(編集・翻訳/川尻)
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