記録的な数の中国飲食店がシンガポール進出、本国での苦境から脱しようと―海外メディア

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記録的な数の中国の飲食店がシンガポールに進出。活気に乏しい消費需要といった本国での苦境から脱しようと国際的な事業展開の「試験場」として活用している。写真はシンガポールに進出した中国飲食店。

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記録的な数の中国のレストランやカフェがこの1年間でシンガポールに進出した、とロイター通信が伝えた。活気に乏しい消費需要、過激な価格競争、極端に絞り込まれた利益率といった本国での苦境から脱しようとして、この島国を国際的な事業展開の「試験場」として活用している。

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ロイター通信によると、伝統的に東西文化の橋渡し役であるシンガポールの人口は610万人で大半が中華系。中国企業にとって理想的な海外展開の玄関口とされている。シンガポールは富裕層が集まる国でもあり、拠点を持つことはブランド戦略上重要だという。

世界展開を目指す中国企業にとって文化的に近いシンガポールは長い間、海外進出の足掛かりとなってきた。シンガポールは米国が貿易障壁を引き上げている時期に、中国を含めた主要経済国と関係構築に積極的な国だ。

中国は新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)に伴うロックダウン(都市封鎖)が終わってからほぼ3年がたつが、需要の低迷が成長を抑制している。長引く不動産市場の不振や米国の中国製品に対する関税が飲食、電子商取引(EC)、自動車などさまざまな分野で価格競争を助長し、デフレ圧力を強めている。

コンサルティング会社モメンタムワークスのデータによると、今年8月時点で約85の中国系飲食ブランドがシンガポールで約405店舗を運営しており、前年6月の32ブランド、184店舗から2倍以上に増えた。

シンガポールの地元飲食企業は低価格の屋台から中規模事業者、ミシュラン星付きレストランでさえも、中国国内とちょうど同じように上昇するコストと消費支出の減少に立ち向かおうと苦労している状況で、中国企業の進出が記録的に伸びている。

湖南料理チェーン「農耕記」の海外事業ゼネラルマネジャーのジョシー・ジョウ氏は「中国は今経営が本当に厳しい状況だ。だから多くのブランドが海外進出を決めている」と語った。農耕記は世界展開の第一段階としてシンガポールを選んだ。

タピオカチェーン「茶百道」のシンガポール責任者ジョアンナ・ジア氏は「恒常的な価格競争のために中国の飲食企業は新しい成長モデルを海外で模索する必要に迫られている」と指摘。茶百道は7月、シンガポールでフランチャイズ形式の2店舗をオープンし、さらに2店舗の出店を予定している。ジア氏は「シンガポールでブランドを築ければ、マレーシア、ベトナム、インドネシアにさえも進出可能だ」と話した。

一方で、こうした中国企業のビジネスモデルは地元企業から反発を招いている。企業経営者700人を代表する「シンガポール公正賃貸テナント連合」は6月、ビジネス向け交流サイト(SNS)リンクトインに投稿した声明で「中国から中小企業が進出すると、しばしばシンガポールの大企業よりも経営規模が大きく、零細企業は競争条件が平等でない」と訴えた。(編集/日向)

シンガポールに進出した中国飲食店

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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