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上海メトロ2号線の西延伸区間が初期運行前の安全評価を通過した。
11月5~10日に開催予定の第8回「中国国際輸入博覧会(CIIE)」を前に、上海メトロ2号線の西延伸区間が初期運行前の安全評価を通過した。新設される1駅「蟠祥路・国家会計学院駅」は近代都市が移動の効率から体験の質へ進化する過程の象徴としても注目されている。
輸入博を前に上海メトロ2号線の西延伸区間が初期運行前の安全評価を通過した。新設される蟠祥路・国家会計学院駅は輸入博の開催前の開通を目指して最終調整段階にある。わずか1.67キロの延伸だが、都市の「運ぶ力」を磨くことで、展示会都市としての競争力を高める狙いがある。
地下鉄2号線は上海の都心部と浦東国際空港を結ぶ大動脈で、輸入博会期中の交通集中を緩和する機能を担う。9月に竣工検収を終え、駅内装、設備調整、運営システム検証が完了しており、西端の国家会展中心周辺へのアクセス能力が強化される見通しだ。
正式開業日は未公表だが、輸入博の開幕前の運行開始を目指して工程が進められてきた。 単なる輸送増強策ではなく、都市全体の流動性を高める「動線再設計」の意図が背景にあるとされている。展示会を支えるのは建物ではなく、人と情報の円滑な循環だというわけだ。
輸入博開催期間中の交通輸送を重点的に支援する「コア路線」として位置づけられるのが、上海地下鉄2号線、10号線、17号線、市域空港線の4線。うち、新設された蟠祥路・国家会計学院駅を含む重要なゲートウェイ駅では、それぞれ駅ごとに来場者の送迎対策が実施される。
蟠祥路・国家会計学院駅が「機能と美学の共生」をテーマに設計されている点も注目に値する。 30メートルの「蟠竜十景」アートウォールは地域史「蟠龍鎮志」(古鎮「蟠龍鎮」の歴史や文化を記録した地域誌で、清代の学者・金惟螯によって編纂されたもの)をモチーフに、レーザー彫刻とLEDで表現されている。駅は単なる通過点ではなく、地域文化を体感できる展示空間へと変貌を遂げた。
延伸区間では、鉄道信号システムとしてCBTC(無線式)とTBTC(軌道回路式)の冗長構成を採用している。 主系に不具合があっても最短2分間隔の運行が維持できる設計で、大規模イベント時の輸送リスクを最小化する明確な狙いがある(通常ピーク時の行車間隔は約2分30秒)。
さらに、工場であらかじめ成形・養生されたプレキャスト道床の採用率は98%に達しており、「十歩精調法(段階的に細かく調整する施工手法)」で仕上げた結果、軌道品質指標(TQI)は過去最高水準を記録した。レールと車輪の摩擦音を抑えた「無啸叫(むしょうきょう)走行」は、都市鉄道が「静かな公共空間」として成熟してきた証左といえる。
設備面では、モジュール型のチラー(冷水機)機械室をまとめて管理する「装配式群控冷水機房」を導入し、エネルギー効率(EER)6.0を達成した。これにより、空調にかかる電力を約30%削減できる見込みだ。中国の都市インフラが「量の拡大」から「質の向上」へと進化していることを象徴する取り組みとなった。このほか、段差の解消や第三トイレの設置、防災扉のフラット化など、利用者目線の細やかな改善も進んでいる。
延伸距離はわずか1.67キロ。しかし、その短い距離には都市の哲学が凝縮されている。輸送の安定、省エネ、文化演出、バリアフリー化。これらは単独ではなく、「都市としての総合力」を形成する要素だ。 輸入博という国際展示会を支えているのは、最先端技術よりも、こうした地道な改善の積み重ねだ。(提供/邦人NAVI-WeChat公式アカウント・編集/耕雲)

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