国家行政のデジタル心臓部がまひした韓国、「情報技術強国と言えるのか」と主要紙

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韓国で9月末、国家行政のデジタル心臓部がまひする前代未聞の事態が起きた。完全復旧までは1カ月以上かかるとみられ、韓国紙は「情報技術強国と言えるのか」と政府を厳しく非難した。写真はソウル。

9月末、韓国政府の電算システムを管理する国家情報資源管理院の大田(テジョン)本院で起きた火災で、国家行政のデジタル心臓部がまひする前代未聞の事態となった。完全復旧までは1カ月以上かかるとみられ、韓国紙は「情報技術強国と言えるのか」と政府を厳しく非難した。

ハンギョレ新聞によると、事故は9月26日夕方、国家情報資源管理院本院の建物の5階にある電算センターで発生した。作業者がリチウムイオンバッテリーの過熱による火災からサーバーを保護するために、バッテリーを地下に移動したところ、火災が発生。27日午後6時ごろに鎮火したが、「政府24」「国民秘書」「インターネット郵便局」など、国民が利用するインターネットサービスがまひ状態になった。

特にデータがリアルタイムでバックアップされるシステムではないため、データが喪失したシステムについては、復旧時期は断言できないという。

火災原因とされたバッテリーは耐用年数(10年)を1年超過した状態だった。バッテリーを装置から分離する際には電源を完全に遮断しなければならないが、これが順守されていたかについても、確実ではないとされる。

同紙は社説で「国家の電算ネットワークの心臓部をずさんに扱っていたとみなさざるを得ない」と論評。「さらに根本的な原因は政府のダブルスタンダード的な態度だ。政府は3年前にカカオの通信障害が発生した際、(政府のシステムは)火災や地震などで一気に停止した場合、リアルタイムでバックアップされたデータから3時間以内に復旧できると豪語した。カカオ側に中核のサーバーの分散運用や火災防止装置など、付帯施設の二重化を強く要求した」と続けた。

社説は「政府の大言壮語とは裏腹に、カカオの通信障害のときよりもはるかに深刻な被害が発生した」と論難。「政府は今になって予算不足のため、二重化の作業を適切に行えなかったことを理由として挙げている。忠清南道の公州(コンジュ)にバックアップセンターをつくっても、『シャットダウン(全停止)』を防ぐ運用システムやバックアップ機能は構築されていなかった。このような政府をどうして信頼できるのか」と語気を強めた。

その上で「今回の事態は国家の安全保障の面でも致命的な弱点を示したものだ。政府はすみやかに被害の復旧を行い、再発防止のための根本的な対策を講じなければならない」と言及。「政界も力を合わせなければならない。国家の安全保障には与野党の区別はないはずだ。しかし、国会行政安全委員会に所属する与野党議員は28日に火災現場を訪れたが、責任をなすり合うばかりだった。恥ずべきことだ」と嘆息した。(編集/日向)

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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