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「抗日戦争勝利80周年」を迎えた中国では「南京照相館」などの映画がヒット。中国メディアは日本の場合は被害者扱いするものが多く、「誤った歴史観を映画に注入」などと非難した。
「抗日戦争・世界反ファシズム戦争勝利80周年」を迎えた中国では「南京照相館」「東極島」などの映画がヒットした。中国メディアは日本でも戦争がテーマの映画が上映されるなどしたが、被害者扱いするものが多く、「日本は誤った歴史観を映画に注入」などと非難した。
日本映画について、中国網は「これらの映画は、いずれも日本の戦時中の『苦難』を描写することに力を入れ、日本の『被害者』像を極力描き出している一方、自らが侵略戦争を発動しアジア諸国に甚大な損害をもたらした歴史的罪業にはほとんど言及していない」と批判した。
続いて「日本は長い間、こうした『感動ポルノ工場』を徐々に構築してきた」と論評。「戦争の苦難を誇張し、個人化された物語を強調し、『反敗戦』と反戦の概念をすり替えるなどの手段を用いて、映画を通じて一方的で偏った戦争歴史叙述を作り上げているのだ」とした。
さらに「この歪曲された叙述は日本の世代交代、逃避心理、外交と政治の現実、戦後責任追及の欠如などと密接に関連している」と説明。批判的アジア研究および思想史比較研究に携わる中国社会科学院文学研究所の孫歌研究員は、日本社会全体が戦争に対する深い反省を欠いている背景には1960年代に出現した「世代の断裂」が関連していると見る。
孫氏は中国共産党機関紙・人民日報系の環球時報の取材に対し、「日本では戦後責任追及は主に戦争を経験した世代によって推進されてきた」「彼らは社会全体での反省を主張し、中国の被害者としての立場を理解することを強調した」と述べた。しかし、冷戦期の国際地政学構造の再編や日米関係強化などを経て、この歴史的責任追及の継続性は世代交代の過程で断たれたのだ。
日本がドイツよりも戦争責任の反省から逃れたがるのはなぜか。首都師範大学日本語学部の王広生教授は環球時報の取材に対し、日本の学者・仲正昌樹教授の著書「日本とドイツ 二つの戦後思想」の見解を引用した。
この見解はドイツの反省の背景には「形勢に迫られた」事情があったと指摘する。ドイツは周辺国との関係改善なしに発展できなかったが、日米同盟の枠組み下にある日本の政治環境は中国や韓国などの被害国の許しを得る必要をなくし、これが反省の動機を弱めた。
戦後裁判の差異も重要な要因だ。ドイツ戦犯は平和に対する罪、戦争犯罪、人道に対する罪の明確な責任追及に直面したが、日本戦犯の責任追及手続きは明らかに欠落していた。
中国網の記事はやり玉に挙げた日本映画の題名には触れていない。「終戦の日」の8月15日を中心にテレビで再放送された戦争映画を含む全体の傾向を指しているとみられる。(編集/日向)
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