微妙な国内経済、読めない米国の動き……日銀が陥る「利上げジレンマ」―中国メディア

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24日、第一財経は、日本経済が比較的好調な現状と悲観的な見通しという乖離(かいり)した二面性を持つことで、日本銀行の利上げ判断を難しくしているとする評論記事を掲載した。

2025年8月24日、中国メディアの第一財経は、日本経済が比較的好調な現状と悲観的な見通しという乖離(かいり)した二面性を持つことで、日本銀行の利上げ判断を難しくしているとする評論記事を掲載した。

記事は、日本の4〜6月期国内総生産GDP)が前期比1.0%、年率換算で1.2%の成長となり、市場予測を大幅に上回るとともに5四半期連続のプラス成長を実現したと紹介。この予想外の成長をけん引したのは投資、消費、輸出の3要素であり、GDPの約6割を占める個人消費が大幅な賃上げを追い風として前期比0.2%増加したと伝えた。

また、今年1〜6月の訪日外国人客が同時期では過去最高の2152万人に達し、インバウンド観光の持続的な好調ぶりがサービス業の景気を押し上げ、経済成長の重要なエンジンとなっていることにも言及。日銀が年内の追加利上げを示唆する中、企業が将来の金利上昇リスクを避けるため、融資コストを早期に確定させ、投資決定を加速させていることも成長を後押ししたと評している。

一方で、好調な見通しとは裏腹に、7〜9月期以降の経済見通しは官民ともに悲観的な見方をしていると指摘。民間エコノミストの約6割が7〜9月期のマイナス成長を予測し、内閣府も今年度の実質経済成長率予測を1.2%から0.7%へ大幅に下方修正したことを伝えた。

記事は、この先の見通しが暗い要因として、サービス業が拡大を続ける一方で製造業は13カ月連続で縮小するなど、日本経済が構造的な不均衡を抱えていることに言及。4〜6月期のGDP成長率に対する内需の実際の貢献度もマイナス0.1%とむしろ足を引っ張る結果になっており、消費の冷え込みが依然として厳しいことも指摘した。

さらに、輸出部門は米国関税政策という巨大な不確定要素を抱えており、対米輸出の大部分を占める自動車輸出に15%の関税が課されることを踏まえ、内閣府が今年度の輸出成長予測を3.6%から1.2%にまで大きく引き下げたことを伝えている。

記事はその上で、インフレ率が高止まりしていることや、日銀のタカ派的姿勢が日本経済のさらなる利上げの方向性を示しており、インフレの質も当初の輸入インフレから、賃金上昇がサービス価格を押し上げる内生的なものへと変化し、「賃金と物価の好循環」が形成されつつある紹介。一方で、この「好循環」は企業の人件費増加を招くほか、現状では賃金上昇がまだ物価上昇ペースに追いつかない実質賃金の減少が続いているため、さらなる追加利上げはせっかく構築されつつある好循環を台無しにするリスクを孕んでいると論じた。

また、ベッセント米財務長官が日本の利上げを公に促す一方で、米連邦準備制度理事会(FRB)が9月に利下げする可能性が高まっており、米国の利下げによって日米金利差の縮小と円高が進行する中で日銀が追加利上げに踏み切れば、輸出企業は「ダブルパンチ」を被ることになるとも指摘。FRBの動きが日銀の利上げに「待ち」の姿勢を生じさせる可能性があるとし、日銀が国内経済状況と米国の動きを慎重に見定めて、ベストタイミングで利上げに踏み切るプレッシャーに苛まれていると結論づけた。(編集・翻訳/川尻

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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