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台湾軍は中国の武力侵攻に備える定例軍事演習「漢光」を実施した。期間を過去最長の10日間に倍増させるなど前例のない規模で地下鉄を利用した兵力・物資輸送の訓練などにも取り組んだ。
台湾軍は中国の武力侵攻に備える定例軍事演習「漢光」を9日から18日までの日程で実施した。台湾有事への警戒感が高まる中、期間を昨年の5日間から過去最長の10日間に倍増させるなど演習を前例のない規模に拡大。台北の地下鉄を利用した兵力・物資輸送の訓練などにも取り組んだ。
台湾・中央通信社などによると、台湾の頼清徳総統は10日、米国から調達したM1A2T「エイブラムス」戦車が新竹県の陸軍訓練場で動く標的や静止した標的に向かって発砲する火力訓練を視察。「非常に強力で、間違いなく戦場で最強の戦車だ」と語った。台湾は同戦車を108両発注。今回披露されたのは昨年12月に納入された第1陣38両の一部で、残りは今年から来年にかけて納入される予定だ。
演習6日目の14日未明には台北メトロ(MRT)などの地下インフラで首都中枢機能の防衛任務を訓練した。
訓練は憲兵指揮部が台北メトロや警察の特殊部隊である維安特勤隊と連携して実施。軍民の連携を検証し、地下インフラを活用して各種資源の配置を調整することで、戦場で生存するための強靭(きょうじん)性を高めることが主な目的だ。憲兵は午前1時過ぎに善導寺駅(台北市中正区)から龍山寺駅(同万華区)までメトロに乗車し、移動中や駅構内、また到着後は万華区内の街頭で戦術訓練を行った。
7日目の15日には陸軍による「縦深防衛作戦」の訓練が北部・新北市八里区の台北港周辺で行われた。人民解放軍がすでに台湾に上陸した状況を想定し、敵の前進を阻む障害物を道路に設置。機械化歩兵が多目的装甲車「CM32」や対戦車ミサイル「TOW(トウ)2B」発射台付き車両の援護の下、小銃や機関銃で相互支援をしながら順次後方に撤退する訓練を実施した。
訓練では台北港から延びる道路にコンクリート塊、車両用防護柵(ジャージーバリア)、対戦車障害物(通称「チェコのハリネズミ」)・蛇腹有刺鉄線、ヘスコ防壁、コンテナ、観光バスなどの大型車両を順番に配置。六重のバリケードを築いた。上空からは戦術無人機が観測・偵察した。
台湾軍の演習に対し、中国国防省報道官は「どんな武器を使っても、人民解放軍には抵抗できない」とけん制。台湾国防部によると、中国の軍用機延べ31機や艦船7隻が演習初日の9日朝までの24時間に台湾海峡周辺で活動し、うち延べ24機が事実上の停戦ラインである中間線を越えるなどして台湾側に接近したという。(編集/日向)
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