中国メディアの環球時報は3日、「ベトナムから中国雲南省への旅行者数が過去最多に、高速鉄道が国境を越える旅行を変える」とする米トラベル・アンド・ツアー・ワールドの記事を紹介した。

記事によると、今年、ベトナムから中国雲南省への旅行者数が目覚ましい増加を見せている。それに重要な役割を果たしているのが、国境を越える鉄道旅行だ。

特に人気が高いのが、雲南省の河口にある国境ゲートを通るもので、ベトナムと中国の中でも特に活気のある地域の一つを結んでいる。この急増は、ベトナム人旅行者の間で鉄道旅行への嗜好（しこう）が高まっていることを浮き彫りにし、雲南省のインフラ整備と両国間の文化的・経済的結び付きの深化を反映している。

雲南省は、東南アジアと中国を結ぶ重要な玄関口として、鉄道を中心とした交通網の拡充に多額の投資を行ってきた。その目的は、観光と貿易の両面を促進し、両国間の旅行者の移動を容易にすることで、玉蒙線、蒙河線、弥蒙線などの鉄道路線の開設により、移動時間が大幅に短縮され、ベトナムから雲南省へのアクセスが容易になり、従来の航空路線にとらわれない中国への新たな可能性が開かれた。

旅行者にとって重要な玄関口となっているのがベトナムとの国境に位置する河口北駅で、雲南省当局は、高まる需要に応えるため、高速列車の増発や国境検査施設の改修、河口北駅や紅河駅などへの二言語案内表示の設置など、乗客体験の向上につながる重要な取り組みを行い、旅行者、特に海外からの旅行者がスムーズかつ効率的に国境を通過できるよう努めている。また、列車の運行スケジュールを調整することで、重要な地点での混雑を回避し、乗客のスムーズな流れも確保している。

統計がこれらの取り組みの成果を証明している。今年に入ってから6月までにベトナムから河口経由で雲南省を訪れた団体旅行者数は前年同期比74．68％増え、過去最多の2万7200人に達した。この劇的な増加は、ベトナムで中国を訪れる際の交通手段として高速鉄道を選ぶ人がますます増えていることを示している。

鉄道旅行の人気が高まっている背景にはいくつかの要因がある。高速鉄道は、高速で快適かつ信頼性の高い交通手段であり、移動時間を大幅に短縮し、乗客の利便性を高めている。さらにインフラの整備が中国とベトナム間の鉄道旅行の成長を支えている。

雲南省が主要な観光拠点へと発展を続ける中、鉄道網の整備は、海外からの旅行者の旅行体験をさらに向上させるだろう。

将来を見据えると、両国の関係強化に伴い、国境を越える鉄道旅行は引き続き成長が見込まれ、地域の成長をけん引する重要な原動力となり、二国間協力の深化と文化交流の機会の拡大を促すだろう。（翻訳・編集/柳川）