日米同盟は冷戦の再演を招く、きれいに見せかけても醜い本質は覆い隠せない―中国専門家

Record China    2014年10月11日(土) 15時21分

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9日、日米両国は8日、日米防衛協力指針の改定に関する中間報告を発表した。最終報告は今年末か来年初めに発表される。写真はニューヨーク。

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2014年10月9日、日米両国は8日、日米防衛協力指針の改定に関する中間報告を発表した。最終報告は今年末か来年初めに発表される。中間報告で両国は防衛協力指針の目標を「アジア太平洋地域の安定、平和、繁栄の促進」と位置づけた上、指針改定は両国が国際平和・安全に一層寄与することを可能にすると強調した。(文:蘇暁暉(スー・シャオフイ)中国国際問題研究院国際戦略研究所副所長。人民日報海外版コラム「望海楼」掲載)

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日米が「平和」の旗を高々と掲げるのは、防衛協力指針改定への道義的支持を得るのが目的だ。だが、きれいに見せかけても、その醜い本質を覆い隠すことはできない。日本が日米防衛協力指針の改定を推し進めるのには、大きな目的が2つある。第1に、戦後レジームからの脱却、特に日本の武力発展と自衛隊の権限に対する平和憲法による制約を打破することだ。その発展の方向に中国、韓国など周辺国が疑問を呈する中、日本は米国からの支持にことのほか依存している。そして米国は歩調を合わせている。今回の中間報告で米国は日本の肩を一層持ち、自衛隊の活動拡大は平和憲法に合致するとして、日本が憲法上の制約を打破することにゴーサインを出した。

日本の第2の目的は、中国を念頭に置いたものだ。1978年に日米両国が防衛協力指針を初めて策定したのは、起こりうる「ソ連の進攻」に備えるためだった。1997年の最初の見直しでは、北朝鮮問題が両国の対処する重点目標となった。2012年、日本政府は尖閣諸島のいわゆる「国有化」を一方的に推し進め、日中関係を深刻に損なった。そしてなんと日本の防衛大臣はこれを機に、日中関係が緊張する中、日米防衛協力指針を改定する必要があると米側に持ちかけた。その後、日本側はまた「中国の脅威」を繰り返し大げさに宣伝し、指針改定を中国の軍事力発展および海上行動への対処とリンクさせようと試みた。今回の改定で中国は日米によって、さながら安保協力強化の仮想敵にされたようだ。

米国からすると、防衛指針改定は「アジア太平洋リバランス」戦略に寄与する。米国はアジア太平洋地域の主導権を極めて重視している。だが現在の内憂外患を前に、この超大国が自国の力のみで目標を達成することはすでに困難となっている。このため中間報告は、米国はよりバランスのとれた、より実効的な同盟関係の発展を必要としていると指摘した。「バランスのとれた」と「実効的」とは、日本が米国の重要な地域同盟国として、地域問題の処理に一層大きな役割を果たし、一層の責任を担うべきだということを意味する。さらに報告は、日米同盟は「グローバルな性質」を持つとして、両国の協力分野を拡大する方針を打ち出した。

今回の改定による日米防衛協力指針が描き出したのは、両国が同盟を道具に世界で利益を共同で奪い取る「青写真」だ。日米共同覇権の思想がひそかに膨張しつつある。米国の黙認の下、日本は新たな「世界の警察」に成長し、「新干渉主義」に加勢する可能性がある。この危険な動向を懸念する国々が世界で増えていくのは必至だ。

根本的に見て、同盟を結ぶことが平和・安定維持の正しい道であったためしはない。幅広い交友、協力・ウィンウィンが時代の潮流であり、溝の解消、摩擦の緩和にプラスだ。派閥を組むのは不信感を増し、衝突のエスカレートを招くだけだ。冷戦時代に二大陣営が対立した一触即発の状態は今なおありありと目に浮かぶ。まさか日米はこの一幕を再演したいのか?(提供/人民網日本語版・翻訳/NA・編集/武藤)

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