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香港メディアの香港01は1日、「米ハーバード大学の中国人学生のスピーチはなぜ物議を醸したのか」とする記事を掲載した。
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香港メディアの香港01は1日、「米ハーバード大学の中国人学生のスピーチはなぜ物議を醸したのか」とする記事を掲載した。
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記事がいうスピーチとは先月29日のハーバード大の卒業式で中国人女子学生の蒋雨融(ジアン・ユーロン)さんが行ったものだ。
記事はまず、「トランプ大統領とハーバード大の摩擦がエスカレートし、中国本土と香港からの留学生がトランプ政権のビザ政策に懸念を抱える中、ハーバード大は2025年の卒業シーズンを迎えた」と言及。そして、「式典ではスピーチをした卒業生3人がいずれも学生の多様性と国際性を維持する必要性を強調した」とし、その中で蒋さんのスピーチがネット上で激しい論争を巻き起こしたと説明した。
記事によると、蒋さんの発言には「ハーバードの伝統的な価値観が凝縮されている。多様性、平等、包容、国際性を主張し、柔らかさと精神力で世界を変え、隔たりと憎しみをなくすことに力を入れ、理想主義の魅力的な光がみなぎっている」という前向きな受け止めがある一方、多くのネットユーザーが否定的な反応を示した。
こうしたネットユーザーからは、「自己催眠的なスピーチ」「政治的には正しいが現実離れしている」というものや、「現実の前では意味を持たず、トランプ氏の闘志をいっそう刺激する」との見方が示されたという。
記事は、「議論の一部は蒋さん個人や家族のプライバシーへの攻撃にまで及んだ」とも記し、以前は普通に見えたこのスピーチが今日のネット世界で激しい議論を引き起こした理由として主に三つを考えると言及。その一つ目は、「人類社会がここ数年直面してきた普遍的な課題、経済成長が鈍化し不均衡がもたらした苦痛、各地の痛ましい戦争、国家間の関税・貿易戦争は人類が第2次世界大戦後に形成したいわゆる近代国際秩序と価値観のベールを引き裂き、世界の未来と現実に対する理想化された人々の認識を深く変えた」というものだ。
また、二つ目は「相次ぐ戦争、各国の内部統治の失敗、経済の停滞、失業の高止まり、貧富の格差、官僚の腐敗、ポピュリズムの台頭、公平と正義の欠如など、人類が直面する課題に対処できない自由主義は全面的に後退し、保守主義や権威政治などが各国の政治家や理論家らによって一種の代替の道として再び頭をもたげ、ハーバードが提唱して蒋さんが追求した価値観への疑問視を招いた」、三つ目は「人類社会の政治・価値形態のここ数年の変化や、トランプ氏による国際化、自由貿易、いわゆる進歩主義、DEI(多様性、公平性、包括性)文化への反対が世界や人々の価値観、政治信条、行動に影響を与えている」だ。
記事はまた、「ネット上のほぼすべての議論は、蒋さんを攻撃しても彼女の発言を間違っているというものはなかった」とし、「ネットユーザーの皮肉と批判は主に彼らと現実との距離にある。彼らは『いたずらに感傷的な主張では人類が直面するいかなる現実問題も解決できない』と考えているのだ」と論じた。(翻訳・編集/野谷)
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