中国の工場労働者がTikTokに殺到、米国による関税政策に「反撃」―シンガポールメディア

Record China    2025年4月19日(土) 8時0分

拡大

15日、シンガポールメディア・聯合早報は、中国の工場労働者が続々と中国の動画アプリTikTok通じて米国による関税政策に「反撃」していると報じた。

2025年4月15日、シンガポールメディア・聯合早報は、中国の工場労働者が続々と中国の動画アプリTikTok通じて米国による関税政策に「反撃」していると報じた。

記事は、中国の工場で働く労働者たちが近ごろ製造現場から直接TikTokに動画を投稿し、米国の消費者に向けて製品をPRしていると紹介。例えば、200ドル(約3万円)する人気ブランド「ルルレモン」と材料が全く同じヨガパンツを、中国の工場から直接購入すれば5〜6ドル(約700〜850円)で購入できるなどと宣伝し、「中間業者を飛ばせば安く手に入る」ことを英語でアピールしており、米国の高関税政策に対する「草の根攻撃」として注目を集めていると伝えた。

そして、TikTokで発信を行う中国の「工場系インフルエンサー」が、米国における生活費高騰への不満を的確に捉え、「中国製品は安くて高品質、注文も簡単」と訴えることで、トランプ政権による対中関税政策の正当性を揺るがし、貿易戦争の中で突破口を開こうとしていると解説。その成果はすでにある程度出始めており、再生回数が1000万回を超える関連動画もあるほか、米国人とみられるユーザーから「トランプ氏の狂った関税政策で何もかも値上がりした。今では中国のサプライヤーに頼るしかない」といったコメントを残していることを紹介した。

一方で、米国の消費者が中国の工場に直接注文した場合、本当に関税を回避できるかどうかは不透明である上、配信者の工場が本当にルルレモンなどの大手ブランドの供給元であった場合に秘密保持契約違反に当たる可能性も否定できず、取引関係に悪影響を及ぼすリスクもあると指摘した。

記事は、中国の工場労働者がTikTokを通じて製品を直接販売する背景には、中国国内の景気が不透明な上、米中貿易戦争の影響で米国のみならず欧米での販路拡大も難しくなっており、受注減や工場停止が続いているという現実があると解説。こうした中で、投稿動画の一部には米国政府を挑発・嘲笑する内容が含まれ、民族主義的な色彩が強くなっていることも指摘した。その上で、中国の工場は「精神的な勝利」ではなく、実際に生き残るための対抗策が求められていることを伝えた。(編集・翻訳/川尻

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

この記事のコメントを見る

noteに華流エンタメ情報を配信中!詳しくはこちら

ピックアップ



   

we`re

RecordChina

お問い合わせ

Record China・記事へのご意見・お問い合わせはこちら

お問い合わせ

業務提携

Record Chinaへの業務提携に関するお問い合わせはこちら

業務提携