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蔦屋書店が西安、上海に続き天津でも閉店を発表したことで、「ネット映え」を強調したリアル書店の退潮が鮮明になってきたとの指摘がある。写真は蔦屋書店。
蔦屋書店が西安、上海に続き天津でも閉店を発表したことで、「ネット映え」を強調したリアル書店の退潮が鮮明になってきたとの指摘がある。それでも非日常的な体験や特別な空間価値を求める消費者の関心は根強く、新しいコンセプトを打ち出したリアル書店の可能性にも依然として期待が寄せられている。
中国ではこれまで「網紅(ワンホン=インフルエンサー)」型の書店が人気を博してきた。幻想的な空間やSNS映えする内装が若年層を中心に支持されたが、2024年以降、その勢いが衰え始めてきたとする見方もある。
その象徴的な事象として注目されているのが蔦屋書店の閉店連鎖だ。25年3月末には天津仁恒伊勢丹店が閉店。24年10月の西安蔦屋書店、25年1月の上海MOHO店の閉店に続くもので、中国国内の店舗数は15店から12店へと減少することとなる。
西安蔦屋書店は21年3月に西安邁科中心で開業し、高級感あふれる内装や洗練された雑貨の販売によって注目を集めた。「美しすぎる書店」とも称されたが、24年10月に閉店した。併設されたカフェではセットメニューの価格が高めに設定されており、それが一部消費者に敬遠される要因となっていたとの指摘もある。
ちなみに閉店を受けて蔦屋ブランドが退潮の兆しを見せているとするのは早計だ。中国では蔦屋書店はフランチャイズ形式で運営されており、西安店は邁科集団(マイコグループ)、上海MOHO店は上海圓泉(円泉不動産)、天津店は伊勢丹中国がそれぞれ運営してきた。閉店は主に各運営企業の事情によるものとされている。
24年9月に閉店した「鐘書閣」重慶店も入居していたショッピングモール側の理由による。鏡面仕上げの床やアーチ型の書棚で人気を博していたが、視覚的な魅力だけに頼った集客では持続的な収益を上げるのは難しいという現実も浮き彫りになっている。電子書籍の普及、オンライン販売の台頭など、本を取り巻く市場競争は激しさを増している。
蔦屋書店の場合、中国では二つのブランド(TSUTAYA BOOKSとTSUTAYA BOOKSTORE)を展開している。中価格帯のTSUTAYA BOOKSTOREでは、都市や商業施設が異なっていても一定の標準化が行われているという。このことは、地域の特性や消費者の多様なニーズに十分に対応しきれていないとの指摘も存在している。
業界の退潮が指摘される中でも、新たな風を吹き込む書店もある。上海タワー(上海中心大厦)地下に位置する「混知書店」もその典型例だ。同店は個人メディア「混知(混子哥)」を運営する陳磊(チェン・レイ)氏が設立した複合型書店で、広さは約2000平方メートルある。
書籍販売コーナー、湖南料理レストラン(混知小酒局)、展示スペース(混知快閃)、カフェ、最大150人が収容できる小劇場などの施設を備える。知識の体験や交流を重視した空間を提供し、書店の新しいあり方として注目されている。
上海タワーの52階、海抜239メートルに位置する「朶雲書院(Duoyun Bookstore)」も人気が高い。約2200平方メートルの店内に約6万冊の書籍と2000種の雑貨類を取りそろえる。「山水・秘境」をテーマにした白黒の幻想的な内装が特徴で、物理的空間の価値を極限まで高めたユニークな書店だ。
やはりリアル書店における「映え」の価値は依然として重要な意味を持つようだ。朶雲書院は非日常性を求める来訪者に支持されており、混雑時には入店予約制を導入し、人数制限を行われる措置が取られる。このことが限定的な体験を与える場として魅力を高めている一面もある。観光資源としても機能しており、市外からの集客にも成功している。(提供/邦人Navi)
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