Record China 2014年10月6日(月) 16時7分
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10月1日、第10回「北京−東京フォーラム」は先月29日、東京で閉幕した。「北東アジアの平和と日中両国の責任――対話の力で困難を乗り越える」がテーマの今回の会議には、日中両国から各界の代表が出席した。
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2014年10月1日、第10回「北京−東京フォーラム」は先月29日、東京で閉幕した。「北東アジアの平和と日中両国の責任――対話の力で困難を乗り越える」がテーマの今回の会議には、日中両国から各界の代表が出席し、両国関係の発展が直面する各種の問題について、率直で立ち入った交流と意思疎通を行った。会議の最後に発表された「東京コンセンサス」は、「目下の日中関係は国交正常化以来の最も厳しい状況にあり(中略)これは両国民ひいては国際社会にとっても望ましいことではない」とし、「歴史認識問題と双方の領土をめぐる問題に適切に対処することは、日中関係を改善、発展させる上で極めて重要である」との認識を示した。(文:厖中鵬(パン・ジョンポン)中国社会科学院日本研究所学者)
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日中双方の代表はフォーラムで、日中関係をいかに発展させるかを熱く議論し、優れた見解をいくつも打ち出した。これに関連して連想してしまうのが、日中関係の今後に対して安倍内閣が取る態度である。安倍内閣は、「日本の対話のドアは常に開いており、前提条件なしでの日中間の首脳会談を希望する」と繰り返し呼びかけている。だが日本で右翼勢力が伸長していることを考えると、また安倍首相本人の右翼的な思想と行動を見るにつけ、安倍内閣の「日中首脳会談」への呼びかけにどれほど誠意があるのかには疑問を抱かざるを得ない。
日中関係の今日の行き詰まりは、日中友好を求める人々の望むところではない。行き詰まりの根本的な原因は、日本の右翼勢力と安倍内閣の行動が、国交正常化後に両国の首脳と国民が丹念に培ってきた政治的な相互信頼を破壊したことにある。こうした破壊は、日中間の4つの重要な政治文書の精神から大きく逸脱したものである。「破壊はたやすいが、再建は難しい」と言うが、日中関係の行き詰まりはまさにそれである。
「千里の道も一歩から」「言葉よりも行動」「虎の首に付けた鈴を外すのは鈴を付けた人にしかできない」。中国には良いことわざがたくさんあるが、現在の日中関係にもこれらはあてはまる。つまり、関係の行き詰まりは日本側が引き起こしたものである以上、日本が先に現実的な行動、心からの誠実な行動を取って、行き詰まりを打破しなければならない。またその行動は、日本の一時的な調子合わせであってはならず、うわべだけの言葉であってはならない。そのような行動では、日中関係の緩和を促進することはできない。
日本が取るべき行動の重点は第一に、中国の発展を客観的かつ公正に見ることにある。日本側とりわけ与党安倍内閣は、責任ある態度で客観的に中国の発展を捉えなければならず、旧式の時代遅れの目で今日の中国を見るべきではない。現在の中国は120年前の清朝末期の中国でもなければ、77年前の中国でもない。今日の中国は、急速に発展するまったく新しい中国であり、世界の平和的発展にプラスのエネルギーをもたらすことのできる中国である。中国の発展は、日本を含むアジア太平洋地域にとってチャンスであり、脅威では決してない。色眼鏡を通した冷戦思考で日本が中国の発展を見るならば、中国との対抗をあおる偏った誤りの「中国脅威論」を生み出すしかない。
日本の行動の重点は第二に、勇敢な真心によって、過去の野蛮な侵略の歴史ときっぱりと手を切ることにある。日本の右翼勢力は過去の侵略の歴史の罪をあの手この手で否認し、弁明している。その目的は唯一、日本が侵略国家ではなかったことを「証明」することにある。日本は永遠に正しく輝きに満ち、日本の歴史絵巻には美しく汚れのない絵しかないというのである。だが歴史は客観的に真実を語るものであり、後世の人間が勝手に書くことのできるものではない。侵略の歴史を書き直そうとする日本の右翼勢力の動きは、その罪を際立たせるにすぎない。日本の侵略の歴史は、侵略された国の人々の血と涙の抵抗の歴史である。日本の右翼勢力は自分の目を一時的に覆い隠すことはできても、侵略された国のすべての人々の目を覆い隠すことはできない。日本の右翼勢力は自らの後ろめたい侵略の歴史を忘れることができるかもしれないが、侵略された国の人々は苦難の過去を忘れることはできないだろう。
日本の行動の重点は第三に、具体的かつ誠実に、私心や雑念なしに実行することにある。裏表のある態度を取ったり、口と心とが離反したりしているのではいけない。安倍首相はこれまで、中国首脳との会談を実現したいと公的な場所で繰り返してきた。だが会談のための会談には意味がない。重要なのは、安倍首相が、誠実な態度で事を進めることだ。靖国神社の参拝や歴史教科書の修正についても、安倍首相とその閣僚、与党の有力者は、靖国神社に近付くべきではなく、歴史教科書を元に戻さなければならない。日本の政界の要人が靖国への参拝を続けながら日中のハイレベル会談を口にしたり、侵略の歴史に触れる教科書を修正しながら「日中は友好関係の原点に戻らなければならない」と呼びかけたりするなど、発言と行動とが乖離した矛盾した態度が見られれば、日中関係の行き詰まりの打開の妨げにしかならない。日本が誠実な行動をきちんと示せば、日中関係の行き詰まりは自然と解消する。
日本の行動の重点は第四に、留保することなし、何も隠すことなしに、まっすぐに日中友好を推進することにある。留保を残したり、含みをもたせたり、外部勢力を抱き込んで有利を図ったりすべきではない。日中両国の行き詰まり打開や中国との関係修復を日本は恒久的な外交戦略として進めるべきだ。中国との友好が必要な時だけ関係を改善し、中国との友好が必要なくなったら、また中国が重要でなくなったら、各種の口実を探し、また各種の争いを作り出して、日中友好という大局を壊すというのではいけない。このような「実用的」な中国との友好を求めることは、日中関係の行き詰まりの打開にはつながらない。
日中関係の発展が順調であるかは、中国と日本の2カ国にかかわるだけでなく、アジア太平洋地域全体さらには全世界の平和と発展に密接にかかわっている。日本と中国との行き詰まりで損をするのは日本である。「価値観による外交同盟」という夢物語や「日米同盟」の強化で中国に圧力をかけようとする日本の近視眼的な姿勢は、日中関係の行き詰まりの打開には少しも役立たない。日本が唯一できることは、すでに行き詰まった日中関係をさらに硬直させることなく、徐々にほぐしていくための方法を率直かつ冷静に考えることだけだ。(提供/人民網日本語版・翻訳/MA・編集/武藤)
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八牧浩行
2014/9/29
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