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10日、環球時報は日米両国の「新たな黄金時代」に早くも影が差したとする評論記事を掲載した。写真はwhitehouse.govより。
2025年3月10日、環球時報は日米両国の「新たな黄金時代」に早くも影が差したとする中国国際問題研究院アジア太平洋研究所特任研究員の項昊宇(シアン・ハオユー)氏の評論記事を掲載した。
記事は、石破茂首相の公式訪米から1カ月もたたぬうちにトランプ米大統領が日本に矛先を向け、日米防衛関係、関税、為替問題で圧力をかけ始め、日米の「新黄金時代」構築という期待に早くも暗雲が立ち込めたと伝え、安全保障上の約束を経済的・戦略的利益と結びつけるトランプ大統領の一連の発言からは同盟関係の道具化が露呈されたと伝えた。
また、日本側の対応についても、表向きは「強硬的」ながらその内実は矛盾と受動性をはらんでいると主張。自主性を維持したい一方で、米国を怒らせたくないという矛盾した心理は、日本の米国への深い依存と戦略的ジレンマを浮き彫りにしていると評した。さらに、中国も王毅(ワン・イー)外相が先日の両会(全国人民代表大会と中国人民政治協商会議)の記者会見で「軍国主義の亡霊を復活させてはならない。台湾問題を利用して事を構えることは、日本自身に問題を引き起こすことになる」と日本をけん制したことを紹介し、石破政権の外交政策は厳しい舵取りを迫られているとの見方を示した。
その上で、米中間の「バランサー」としての位置取りを模索する石破政権の外交戦略調整が「日本国内で硬直化した戦略的思考」に阻害され、対米依存と戦略的自立、対中警戒と対話協力という二つの矛盾を解決できないでいると論じた。特に、日中関係については、中国との関係が重要であることを深く認識しながら、「根深い中国への偏見」から米国との連携や台湾の利用によって中国をけん制するという従来の考え方が依然として日本の政界を支配していると指摘した。
記事は、トランプ政権発足で外交政策が急変し、冷戦後の国際秩序に崩壊の危機が迫る中、日本の「大国としての戦略」が真価を発揮するためには、勇気を持って米国に「ノー」と言い、戦略的自立を実現できるか、今や米国の取引カードになりつつある米国依存から脱却できるか、そして戦略的に明確な判断力を維持できるかの3点が課題になると分析。日米「黄金時代」の華やかな見せかけを打ち砕き、同盟関係の脆弱性を露呈させた米国の「取引外交」が「日本にとって危機にもなるし、チャンスにもなる」とし、自立性ある外交の座標軸が再構築できれば多極化する世界で自国の戦略的価値を最大化できるとの考えを示した。
そして「歴史的な大変動を前に、隣国としてのあり方とは何か、大勢の赴くところはどこか、日本の識者は深く考え、よき道を選ぶべきだ」という王外相の発言を引用した上で、「日本に必要なのは、歴史への反省と時代の洞察に基づく戦略的覚醒であり、崩壊しつつある旧秩序を延命させようとする無駄な努力ではない」と結んだ。(編集・翻訳/川尻)
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