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中国のポータルサイト・捜狐に4日、「日本の大学はなぜ中国人留学生を奪い合うのか」と題する記事が掲載された。写真は東京大学。
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中国のポータルサイト・捜狐に4日、「日本の大学はなぜ中国人留学生を奪い合うのか」と題する記事が掲載された。
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記事は、最近、日本のメディアでは「東大が中国化している」という言葉が頻繁に取り上げられ、大きな議論を呼んでいると説明。「日本最高学府として知られる東大だが、現在、東大の留学生比率は歴史的な変化を遂げ、一部の講義ではほとんどが中国人学生で占められる状況になっている」と伝えた。
その上で、具体的な状況として、「現在の東京大学の学生数は約2万7500人で、そのうち学部生が約1万4000人、大学院生が約1万3500人となっている。注目すべきは留学生数の変化で、中国人留学生の数は2014年の1136人から24年には3396人へとほぼ3倍に増えた。留学生全体に占める割合も39.5%から66.5%へと急上昇し、現在では留学生の3人に2人が中国人だ」と説明した。
また、「この現象は東大に限った話ではない」とし、「例えば、早稲田大学には3300人余りの中国人留学生が在籍している。全体の学生数は約4万8000人であるため東大ほどの割合ではないが、一部の研究室や学科では中国人留学生が多数を占めている」と言及。さらに注目すべき点として大学院における中国人留学生の割合の高さを挙げ、「東大の大学院生約1万5000人のうち外国人留学生は約5200人、うち中国人が約70%に当たる3500人を占める」とし、「東大の大学院生の5人に1人が中国人であり、これは日本の大学においても極めて珍しい状況だ」と論じた。
記事は、「東大は“学歴逆転”を狙う中国人学生にとって理想的な選択肢だ」と指摘。「中国では高考(大学入試)が激烈な競争になっており、清華大学や北京大学の合格率は極めて低い。また、大学院入試はさらに狭き門で、全国統一試験では筆記試験で多くが足切りされ、その後の面接や専門試験でもほとんどが落とされる」とする一方、「日本の修士課程の出願制度はより多様性に富んでいる。指導教授の推薦+学内試験+面接という形式が一般的であり、全国統一試験は存在しない。選考は主に個人の学術的なバックグラウンド、研究計画、教授の評価に基づいて行われるため、国内の厳しい受験競争を避けたい学生にとっては魅力的だ」とした。
また、近年では中国の家庭でも、日本の大学や大学院への留学だけでなく、より早い段階から計画的に日本留学を進めるケースが増えているとし、中学や高校から日本に送り出し、東大入学を目指して準備を進めることも少なくないと説明。こうした家庭に人気なのが、東大の近く、あるいは教育レベルが比較的高いと言われる文京区や港区、中央区、千代田区などだと紹介した。
さらに、「日本政府も留学生誘致の取り組みを強化している」と言及し、その施策として「高額な奨学金の提供」「入学手続きの簡素化」「英語のみで学位が取得できるスーパーグローバル大学(SGU)プログラムの導入」「日本企業への就職支援」などが行われていると説明。また、日本の大学が中国の留学予備校に直接アプローチし、積極的に中国人学生を勧誘するようになっているとも指摘した。
このほか、日本への留学費用が欧米への留学費用と比べて格段に安くなっていることも挙げ、「特に国公立大学の学費は低く、円安の影響で生活費も抑えられる。加えて、日本は地理的にも近く、文化的な親和性も高いため、中国人留学生にとって魅力的な選択肢となっている」とも付け加えた。
記事は、東大における中国人学生の増加はさまざまな面に影響を及ぼしているとし、一部の研究所ではディスカッションの場で日本語ではなく中国語が用いられていること、東大周辺には本場の中国料理、いわゆる「ガチ中華」の店が続々とオープンしたりしていることに触れた。そして、「こうした状況に日本人からは懸念の声も上がっている」とし、一部の専門家からは、東大が日本最先端の研究機関であることから、中国人学生の増加は国の安全保障に関わるとの声も出ていることを紹介。一方で、記事は「中国人学生は娯楽にふけることなく非常にストイックに勉学に励んでいるという評価もある」としたほか、「経済的な観点からは、日本政府や企業はこの流れを歓迎している。中国人留学生の流入は深刻化する人材不足を補うだけでなく、東大周辺の経済を活性化させる要因ともなっている」と主張した。
その上で、「この流れは止まるどころかむしろ加速する可能性がある。東京大学は国際化の波の中で変化し、将来的に『東アジア大学』へと進化するのか。中国からの留学生急増に直面する日本社会は、この変化を迎える準備が整っているのか。中国人学生にとって日本留学がアイビーリーグ(米名門私立大学8校)やG5(英名門5校)を超える新たな選択肢となるのか。もしあなたなら、日本留学を考えるだろうか?」と読者に問い掛けた。(翻訳・編集/北田)
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