「風の谷のナウシカ」の5大名場面、40年前の“予言”が衝撃を与える―台湾メディア

Record China    2025年3月1日(土) 16時0分

拡大

20日、台湾のカルチャー誌・VERSEのウェブ版は、「風の谷のナウシカ」5大名場面と40年前の予言が衝撃を与える理由について考察した記事を掲載した。

2025年2月20日、台湾のカルチャー誌・VERSEのウェブ版は、「風の谷のナウシカ」5大名場面と40年前の予言が衝撃を与える理由について考察した記事を掲載した。

記事はまず、「40年の時を経て、日本アニメ界の巨匠・宮崎駿監督の壮大な名作『風の谷のナウシカ』がついに3月6日、台湾のスクリーンに登場する。これにより、ファンはアニメの歴史を変えた伝説的な作品を再び堪能することができる。同作は、宮崎監督、高畑勲監督、鈴木敏夫プロデューサーという『ジブリ三巨頭』が初めてタッグを組んだ作品であり、さらには映画音楽の巨匠・久石譲氏と宮崎監督の名コンビが初めて共演した作品でもある」と紹介。「1984年の公開以来、『風の谷のナウシカ』は数々の国際的な賞を受賞してきた。特筆すべきは、環境問題を深く掘り下げたテーマ性により、同作が世界自然保護基金(WWF)から環境保護と動物保護を訴える代表的なアニメとして推薦を受けたことである。このことからも、同作が単なる娯楽作品にとどまらず、広範な影響力を持つ作品であることが分かる」と述べた。

続けて、「『風の谷のナウシカ』の物語は、1000年前に起こった『火の七日間』と呼ばれる戦争によって世界が荒廃した未来を舞台にしている。地表は毒を発する『腐海』に覆われ、人類は巨大な蟲(むし)たちに脅かされながら生き延びていた。『風の谷』は海風により腐海の毒を免れた数少ない人類の安住の地であったが、運命の歯車が回り始め、伝説に語られる青い衣をまとった救世主が、黄金の草原に降り立ち、人々を絶望から解き放つ時が訪れようとしていた」と説明。「ナウシカは、生き物たちと心を通わせることができる能力を持ち、ジェットグライダーに乗って腐海を探索する。ある日、トルメキア王国の輸送機が風の谷に墜落し、1000年前に世界を滅ぼした最終兵器『巨神兵』を運び込んだことから、谷の平和は戦乱へと巻き込まれる。迫りくる危機の中で、ナウシカは風の谷を守るだけでなく、生態系と人類、破壊と希望の間で重大な選択を迫られることになる」とした。

そして、「ナウシカのキャラクター造形は、東洋と西洋の文化が融合しており、さまざまな作品の温かさと強さを併せ持つ。アニメ史上でも最も魅力的な女性キャラクターの一人であり、同時に『人と自然の共生』という深い哲学を体現している。またナウシカは単なる王女ではなく、『理解・共生・希望』の象徴であり、荒廃した世界の中で未来への可能性を探し求める存在だ」と論じた。

記事は一つ目の名場面に「ナウシカが腐海を探索する場面」を挙げ、「一見すると危険に満ちている。しかし、彼女はやがて腐海が実は大地を浄化する仕組みであることを発見する。同作は単なる環境破壊への警鐘にとどまらず、共生の可能性を示唆する寓話である。40年前に描かれたこの予言は、今や現実のものとなり、人類が発展と環境保護のバランスをどのように取るべきかを問い掛けている」と紹介した。

二つ目の名場面として、「風の谷を襲おうとする怒り狂った蟲の群れを止めるため、ナウシカは彼らの前に立ちふさがり、自らの命と誠意をもって彼らを鎮めようとする」シーンを挙げ、「人間の本質は、極限の状況においてこそ明らかになる。ナウシカの勇気は武力によるものではなく、生命への敬意と理解から生まれたものだ。彼女の共感と信頼の心は、『恐怖に直面した時、私たちは攻撃を選ぶのか、それとも対話を選ぶのか?』と問い、『真の力とは征服ではなく、信頼にある』ことを証明した。これは単なる生態系の問題ではなく、人間の本質に関する深い問いかけでもある」と述べた。

三つ目の名場面について、「トルメキア王国が巨神兵を復活させようとした時、彼らが求めたのは『力』なのか、それとも『破滅』だったのか?。この場面は圧倒的な迫力がありながら、同時に背筋が凍るような恐怖を感じさせる。1000年前に世界を滅ぼした大災厄を前にして、人類は本当にそこから学んだのか?テクノロジーの発展は避けられないが、倫理と共に進まなければ、いずれ創造者自身をも滅ぼしてしまう。同作は環境問題や生態系のテーマを中心にしているように見えるが、同時にテクノロジーと倫理の境界についても問い掛けている。真の文明とは、力を制御することではなく、その結果について深く考えることなのだ」と論じた。

四つ目の名場面について、「ナウシカが滑空し、風の谷を飛び越えていく時、彼女が求めているのは、ただの自由ではなく、世界への理解である。高い空から世界を見渡すと、人間同士の争いは小さく見え、物事は単純な善悪では割り切れないことが分かる。この場面は、私たちに『視点を変えることの大切さ』を教えてくれる。自分の狭い世界から抜け出し、固定観念を捨てた時、初めて本当の世界が見えてくるのだ。自由とは、単に翼を持つことではなく、世界を理解しようとする勇気を持つことなのかもしれない」とした。

そして、五つ目の名場面として「物語の最後にナウシカが黄金の草原に横たわる」シーンを挙げ、「その光景はまさに『平和と再生』の象徴だ。腐海の秘密を知り、世界の破壊を防ぎ、人々が生きる未来を守ったナウシカの旅は、このシーンで一つの答えを迎える。『風の谷のナウシカ』が最も伝えたいメッセージは、どれほど世界が壊れても、人類は善良さと希望を選ぶことができるということだ。たとえ荒廃した世界でも、人の心の中に『風の谷』を持っている限り、未来へと繋がる種を蒔くことができることを示している」と紹介した。

記事は、「『風の谷のナウシカ』がもたらす影響は、一般的なアニメの価値を超え、時代を超えた寓話となっている。また、宮崎監督は幻想的な物語を通して人間と自然の対立を描きながらも、廃墟と毒霧の中に希望の種を埋め込んでいる。腐海の浄化、王蟲の怒り、巨神兵の崩壊、そしてナウシカが空を滑翔する姿は、すべて『私たちはこの世界にどう向き合うべきか?』と問いかけている」と強調した。

そして、「おそらく、答えはナウシカの選択の中にある。恐怖に直面した時、彼女は理解を選び、破滅の淵に立たされた時には信じることを選んだ。彼女の物語は、私たちに真正な力は戦争から生まれるのではなく、尊重から生まれることを思い出させてくれる。真の未来は武力によって築かれるのではなく、善意と勇気によって開かれるのだ。たとえ世界が傷だらけであっても、黄金の草原の中に新たな始まりを見出すことができる。これこそが『風の谷のナウシカ』が私たちに残す最も重要なメッセージなのだ」と結んだ。(翻訳・編集/岩田)

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

この記事のコメントを見る

noteに華流エンタメ情報を配信中!詳しくはこちら

ピックアップ



   

we`re

RecordChina

お問い合わせ

Record China・記事へのご意見・お問い合わせはこちら

お問い合わせ

業務提携

Record Chinaへの業務提携に関するお問い合わせはこちら

業務提携