Record China 2025年2月26日(水) 14時0分
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日本と台湾の医療体制の違いを台湾の精神科医が指摘した。台湾メディアの風伝媒が24日付で伝えている。資料写真。
日本と台湾の医療体制の違いを台湾の精神科医が指摘した。台湾メディアの風伝媒が24日付で伝えている。
記事は、「このところ台湾ではインフルエンザやノロウイルスが流行し、台湾全土の病院で救急外来が混雑し、もともと余裕のない医療体制がさらに逼迫(ひっぱく)する状態となっている」とした上で、台湾の精神科医・沈政男(シェン・ジョンナン)氏のフェイスブックへの投稿を紹介した。
沈氏は、「台湾の健康保険制度が始まって30年が経つが、救急外来の混雑や医療従事者の不足は一貫して指摘されている問題だ。その原因には、適切な医療の段階分け(町医者と総合病院のすみ分けなど)ができていないことが指摘されている」と説明。日本で死去した台湾の女優「大S」ことバービィー・スーさんについて、「仮に台湾で受診していれば比較的早く大規模な医療施設で治療を受けられた可能性はあるが、これはあくまで一つの側面に過ぎず、それだけで日本の医療が台湾より劣るとは言えない」と主張した。
そして、日本に住む高齢の友人夫婦が普段は近くの病院で診察を受け、処方箋をもらい、近所の薬局で薬を受け取り、薬の種類も2~3種類と少ないことを紹介。「日本の薬の名称はすべて日本語で書かれているのに対し、台湾では医療用語ですら中国語化されていない。こんな状態で、どうやって国民に医療知識を広めるのか?これは単なるカルテの中国語化の問題ではない。国民が得られるすべての医療情報を分かりやすくする必要がある。これは基本的なことであるはずなのに、台湾の医療業界はきちんと反省できていない」と批判した。
また、「このことは台湾が近代化の過程において十分な反省や計画性を欠き、場当たり的に政策を行っていることを浮き彫りにしている」とも指摘。「『歩行者の地獄(歩行者が危険にさらされる台湾の交通事情を指す言葉)』はまさにその典型的な例で、ほかにも似たようなことはいくらでもある。台湾人に果たして国家を管理する能力があるのか、大いに疑問だ」とまで断じた。
沈氏は、「日本の医療には台湾と異なる点がもう一つある」と言及。(日本で)自身の友人の妻が胆のう炎で5日間入院した際、夫は初日に手続きを手伝っただけで、その後は病院のスタッフがすべての面倒を見てくれたため、家族は一切心配する必要がなかったというエピソードを紹介し、「こんなことは台湾では考えられない」と絶賛。また、「病院に運ばれた患者が退院時には以前より健康になり、生活機能が向上しているというのが本来のあるべき医療の姿だが、台湾の医療はこの理想からどんどん遠ざかっている」と指摘した。
さらに、「日本の若者は台湾ほど医師を目指すことに執着していない。それは(日本では)医師の収入がそれほど高くないからだ。しかし、それでも日本人は医師に対する信頼が厚い。一方で、台湾では医師と患者の関係性が悪化し続けている。恐ろしいのは、医療従事者の中にも患者を敵視する人が増えつつあることだ」と警鐘を鳴らした。
その上で、「台湾は日本を模倣しようとしてきたが、結果的に中途半端どころか、全く別物になってしまった。台湾は30年前の社会のほうがシンプルで、統治もしやすく、制度を整えやすかった。しかし今となっては、重要なインフラ整備を進めるのは非常に難しくなっている」と論じた。(翻訳・編集/北田)
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