Record ASEAN 2025年1月13日(月) 17時0分
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12日、シンガポールメディア・聯合早報は中国の俳優がミャンマーで誘拐された事件について、中国ネットユーザーの反応とタイ当局の姿勢を報じた。写真はバンコクのスワンナプーム空港。
2025年1月12日、シンガポールメディア・聯合早報は中国の俳優シンシン(星星)がミャンマーで誘拐された事件について、中国ネットユーザーの反応とタイ当局の姿勢を報じた。
記事は、シンシンがタイに滞在中に撮影とだまされてミャンマーに入り誘拐され、その後保護された事件が中国、タイ、ミャンマーの3カ国関係に深刻な影響を与えていると紹介。タイ国家観光局長が11日に中国のSNS・微博(ウェイボー)で声明を発表し、「中泰一家親(中泰は一つの家族)」という言葉で両国間の友好関係を強調するとともに、観光業を支柱産業とする同国が中国からの観光客の安全確保を重視しているとコメントしたことを伝えた。
また、中国のネットユーザーからは、人身売買・詐欺集団を「テロ組織」とみなすべきだとの声や、映画「戦狼 ウルフ・オブ・ウォー」の主演俳優ウー・ジン(呉京)が誘拐された中国人を解放するよう呼び掛けるべきだといった意見が見られたとした。また、事件をきっかけに中国人の安全を守るための対策を求める声が高まっており、中国政府が今後タイやミャンマーと協力して犯罪者の摘発に力を入れると予測されていることを紹介した。
さらに、シンシンの誘拐事件を契機に、タイ国境に接し詐欺や人身売買の拠点として知られるミャンマーのミャワディ地域にも注目が集まったと指摘。ミャワディには犯罪組織にだまされて毎年約10万人もの中国人が連行され、違法な電信詐欺に従事させられているとの情報もあるとし、タイからミャンマーへという人身売買の流れが断ち切れない背景には、ミャンマー政府がこの地域での問題に十分に対応できていない現状があると論じた。
記事は一方で、中国とタイの警察が過去にも協力して犯罪者を取り締まった実績があり、今回も両国が連携して被害者の救出に向けて行動を起こすことが期待されていると紹介。誘拐事件によって春節(旧正月)期間にタイを訪れる中国人観光客が10〜20%減少する可能性があるとみられ、タイの観光業に影響が生じる見込みであるものの、専門家は今回の事件が中国とタイ、さらにはミャンマーの外交関係に長期的な影響を与えることはないと見ていることを伝えた。
そして最後に、中国が今後タイ、ミャンマーとの地域管理メカニズムを通じて詐欺犯罪への取り締まりを強化するとしつつ、事件が中国国外で起きていることから、事件や犯罪組織の根絶に向けてはタイやミャンマーの政府がこの問題を真剣に受け止め、警察の取り締まりを強化し、中国と情報交換することが重要とする専門家の意見を紹介した。(編集・翻訳/川尻)
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