小さな冷蔵庫用マグネットが昨年、中国で最も人気のあるクリエイティブ商品となりました。世界最大の日用品卸売市場である中国東部の浙江省義烏市のビックデータプラットフォーム「義烏購」によりますと、2024年1月1日～12月31日、冷蔵庫用マグネットの検索件数は右肩上がりで、前年比で1．25倍の伸びを示したとのことです。

発売からわずか2時間で1700個が完売し、発売から3カ月後に8万個近くも売れました。最近、中国の若者の間で、中国国家博物館の貴重な所蔵品である「明孝端皇后の九竜九鳳冠」をモチーフにしたクリエイティブ商品の「冷蔵庫用鳳冠マグネット」が爆発的な人気を呼び、よく売れています。さらに、中国のSNSでは冷蔵庫用マグネット関連の投稿がたくさんアップされ、まるでマグネットの「文化博物館」のようで人気が広がっています。

小さな冷蔵庫用マグネットがなぜ、一夜にして大人気となるのか、人気の秘訣はどこにあるのでしょうか。浙江省商務研究院消費・流通研究センターの陳応子副主任は「根本的な理由には、消費者の細分化が挙げられる」と紹介しました。陳副主任によりますと、中国の巨大な消費市場で、今の世代の若者たちは比較的物質が豊かな時代に育てられ、ニーズがますます多元化し個性化しています。また、経済の活発な成長と消費者の富の蓄積により、今の若い消費者はより質の高い生活を求めると同時に、精神面の追求を満たす商品やサービスを好んでいるとのことです。

これに対して多くのネットユーザーは「ニッチな商品が次々と注目され、消費財はすでに新たな高みに達した」「家庭用品から文房具やアパレル、アクセサリー、おもちゃ、コーヒーや飲料水まで、今ではさまざまな新商品が相次いで開発され、商品の豊富さに目がくらむ」「面白くてかわいくて工夫を凝らした商品は消費者の心を奪う」とコメントを寄せています。

2024年の中国消費市場を見ますと、コンサート、地域を跨ぐ観光などの文化・旅行関連の消費が急成長しており、競技観戦などのスポーツ関連消費も活発で、グッズ関連の限定コラボ商品など趣味の経済が爆発的に成長しました。こうした背景の下で、冷蔵庫用マグネットが人気商品になったのは、ある程度中国の文化消費市場の大きな可能性を反映しているとみられています。（提供/CRI）