Record China 2025年1月8日(水) 5時0分
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中国の若者の間では、大量消費生活を否定して、購入するものは最低限にして、しかも環境への影響も最小限にすることを目指す生活が関心を集めており、実践する人も珍しくない。
中国メディアの九派新聞によると、中国の若者の間で大量消費生活を否定して、購入するものは最低限にして、しかも環境への影響も最小限にすることを目指す生活が関心を集めているという。実際に自分の行動に取り入れる動きもある。もちろん、使い捨て商品は受け入れないし、「新品」も避けるという。
ニニさんはまだ若い女性だ。かつては勤め人だったが、次にどのような仕事をするかのあてもないのに職を辞した。しかしそれ以来、生活のために使う時間が多くなり、生活のために本当に必要なものを見直し始めたという。ニニさんは今、「持続可能な生活スタイル」を紹介するブロガーをしている。
ニニさんは生活上の小さなことから始めて「最低限の商品使用」を実践している。例えば、スキンケアの時にコットンパフを使うことをやめた。ニニさんにとって、スキンケアそのものは体をいたわる大切な行為だ。しかしコットンパフを使う必要はないと気づいた。化粧品類を直接手に取ればよいからだ。
ニニさんはかつて、結婚式の企画の仕事をしていた。そして、従来型の結婚式では使い捨ての装飾品、花、オーダーメイドの品など、実に多くの商品が一度使われただけで捨てられてしまう「無駄」を強く感じていた。ニニさんは最近になり結婚したが、パーティの会場は田舎にある自宅だった。ニニさんと相手の男性は、結婚指輪は用意しないことにしていた。するとパーティ会場で、招待した友人が即興で、花を使って指輪を作ってニニさんと新郎の指輪とした。ニニさんは、全く予想していなかったが、最高のセレモニーになったという。
蘇一格さんも、環境保護と最低限の生活を紹介するブロガーをしている。蘇さんは自分を「環境保護享楽主義者」と呼んでいる。蘇さんが提唱する生活は苦しさに耐えるのではなく、逆に「出費を節約し、手間を省き、より健康になる」ことにつながる楽しい生活だからという。例えば蘇さんは中古家具を買う。自分で組み立てる手間も必要ないし、絶対にないとは言えない、新品の家具に残留していた毒性の強いホルムアルデヒドのために、健康に影響を受けることもないからだ。さらに中古家具の場合には買い値が安いので、売ってしまう場合でも購入時と比べての「金額の目減り」はほとんどないという。蘇さんはまた、最低限の生活と環境保護は結びついているとして「エコな商品でもたくさん買ったら、それはエコな行為でない」と主張する。
また、ニニさんも蘇一格さんも、生理用ナプキンは使わずに月経カップを使っている。そのことで女性ならではの出費を節約でき、環境にも優しい。さらに、生理用ナプキンをなかなか買えない女性にも、持続可能な解決策を提案できるという。
蘇さんは、最低限の生活を続けることで自分の心に潜んでいる隠れた感情を発見したとして、「自信がないことや不安が原因で不要な買い物をしていることに気づきました。その後は、ショッピングで気持ちを緩和するのではなく、より健康的で直接的な方法で感情面の問題に対処することを徐々に身につけました」と説明した。
ニニさんは、環境保護の意義は環境を保護するだけでなく、人と世界、人と物、人と自我の関係にも及ぶと指摘した。ニニさんは、「環境に優しい最低限生活の実践は、イノベーションを通じて代替案を見つけることに役立ちます。すでにある答えに従って生活する必要はなく、世界をよりリアルに冷静な気持ちで認識し、自分の好きな生活を選択することができることに気付きました」と説明した。
蘇さんは、多くの若者が「最低限の生活」を選択した原因の一つは、「過剰な消費を経験したことで、人々が反省した」ことだと分析する。そして経済面で苦しくなったことも、本当に必要なものだけを購入するという生活方式に転換するきっかけになっているという。
ニニさんも蘇さんも、企業やブランドと提携することがあるが、自分自身の確固たる基準を設けていると説明した。例えば蘇さんは、環境保護関連の情報発信が多いが、ある乳製品企業が、自社の「持続可能」への貢献をアピールする情報発信を打診してきたが、その企業が主張する「貢献」とは、包装の再利用に限定されていたために、蘇さんは「あまりにも不十分」と判断して断ることにした。
このような厳密に判断をしていく姿勢によって、ニニさんや蘇さんはフォロワーの信頼を勝ち得ている。さらに、企業側もニニさんや蘇さんのようなブロガーや、そのフォロワーの反応を考慮するようになった。消費者はブロガーを支持し、ブロガーは提携する企業を選ぶ際に自らの原則を崩さない。そのことで企業は、消費者から何を求められているかを検討し、みずからの行動を改善する。このような循環が成立した。
消費者の反応を考慮するなどで、「再利用」を前面に出して起業するケースが増えている。例えば、再利用が可能は容器を使う宅配業者や、客に「マイカップ」の利用を認めるカフェなどだ。
ニニさんは以前に雲南省大理市に住んでいた際に、自宅の近くにある「廃棄物ゼロの店」を、極めて高く評価していた。しかし現在住んでいる広西チワン族自治区では、そのような店は見当たらない。ニニさんは、将来には自分が「廃棄物ゼロの店」を開くかもしれないという。(翻訳・編集/如月隼人)
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2025/1/3
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