韓国戒厳令の舞台裏で金融当局者が通貨防衛に奔走、司令塔は企画財政相―海外メディア

Record Korea    2024年12月13日(金) 11時0分

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韓国の尹錫悦大統領が3日夜に「非常戒厳」を宣言した舞台裏で、金融当局者が通貨ウォンの急落を阻止するために奔走。「司令塔」は崔相穆企画財政相だった。写真は韓国大統領室のフェイスブックより。

韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領が3日夜に「非常戒厳」を宣言した舞台裏で、金融当局者が通貨ウォンの急落を阻止するため奔走していたとロイター通信が報じた。「司令塔」となったのは、崔相穆(チェ・サンモク)企画財政相。混乱の中で崔氏は翌日にかけてメッセージの発出や対応を指揮した。

ロイター通信によると、戒厳令の発動で韓国が数十年ぶりの危機に直面した数分後、崔企画財政相は通貨防衛が最優先であることを認識。午後11時ごろまでに、韓国銀行(中央銀行)、企画財政省、銀行・市場規制当局のトップによる非公式の緊急会議を招集した。

崔氏はこれまで尹大統領の忠実な支持者で、2022年3月の大統領就任以来、政府の要職を歴任してきた。23年12月に企画財政相に就く前は大統領の経済担当首席秘書官を務めていた。

戒厳司令部の兵士が国会に突入していたころ、「F4」と呼ばれる韓国の4大金融当局は、過去の危機の際に使われてきた緊急対応策を発動し、アジア市場が開く前に通貨ウォンの急落を阻止しようと奔走した。

今回の緊急対策の基礎となったのは、1998年アジア通貨危機からの教訓。韓銀高官は「われわれはこれまで多くの危機を経験してきた。新型コロナのパンデミック(世界的大流行)を含め危機を通じて浮き沈みを経験し、一連の手段を準備してきた」と語った。

F4からは発表が相次いだ。韓銀は4日午前中に臨時の金融政策理事会を開くとし、金融監督院は市場を安定させるための措置を講じると明らかにした。

国会は4日午前1時までに戒厳令の無効を宣言したが、F4は緊急対応策を続行。夜中に次官らによる会合が開かれ、4日午前7時に再び集まって市場の正常な機能を維持することを確認した。金融規制当局は10兆ウォン(約1兆円)規模の株式市場安定化基金を発動する用意があると表明した。

計画はおおむね成功。ウォンは2年ぶりの安値から上昇し、株式市場は3日間で2.5%強の下落にとどまった。

韓国は低成長、労働争議、予算交渉の行き詰まり、主要貿易相手国である中国との問題などに悩まされており、当局はすでに急激な為替変動への警戒を強めていた。ウォンは年初来、対ドルで9%下落。主要株価指数KOSPIは8%下落した。8月以降、海外資金が株式市場から流出し、4カ月間の流出額は140億ドル(現レートで約2兆1140億円)を超えている。

こうした中での戒厳令だっただけに、韓銀の李昌ヨン(イ・チャンヨン)総裁は5日の記者会見で「もし戒厳令が非常に長期間続いていたら、外国人の(韓国への)見方が本当に悪化していた可能性がある」と安堵(あんど)の表情を浮かべた。(編集/日向)

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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