1990年代の日本のアニメはなぜ経済不況下で成長できたのか―中国メディア

Record China    2024年12月5日(木) 9時0分

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中国のポータルサイト・捜狐にこのほど、なぜ1990年代の日本のアニメが経済不況下で成長できたのかを考察した記事が掲載された。写真はドラゴンボール。

中国のポータルサイト・捜狐にこのほど、なぜ1990年代の日本のアニメが経済不況下で成長できたのかを考察した記事が掲載された。

記事まず、「90年代、世界的に経済が低迷する中、多くの産業が大打撃を受けた。しかしそんな状況下で、日本のアニメは数少ない成長を遂げた消費カテゴリの一つとなり、逆勢の中で成長を続けた。この現象は、一部の経済学者によって中国語で『谷子(グッズ)経済』と呼ばれている。『谷子経済』とは一体何なのか?そして、なぜ経済不況の中でこれほど注目を集めることができたのか?この記事ではその謎に迫る」とした。

そして、「『谷子経済』とは、中国語で経済が衰退している時期においても特定の消費カテゴリが成長を維持できる現象を指す。これらの消費カテゴリには、需要が比較的安定しており、経済の変動に左右されにくいことと、高い娯楽性や感情的価値を持ち、困難な時代に人々に精神的な慰めを提供できるという特徴がある。90年代の日本のアニメは、まさに『谷子経済』の典型例と言えるだろう」と説明した。

続けて、「90年代、日本は『失われた10年』と呼ばれる経済停滞期に直面していた。ただし、経済成長が鈍化し、失業率が上昇し、消費者の信頼感が低下した状況下でアニメ産業だけは急速に成長した。その背景には主に二つの理由がある。まず、日本のアニメは独特の芸術スタイル、豊富なストーリーの内容、そして深い感情表現によって、世界中の観客の心をつかんだ。経済的に厳しい時期、人々は娯楽を通じてストレスを軽減し、心の支えを求める傾向がある。アニメ作品の中に描かれるヒロイズム、友情、愛情といったテーマは、こうした人々の心理的なニーズを満たし、感情的な寄り所としての役割を果たしたのだ」と論じた。

また、「90年代、日本のアニメは本格的に海外市場への進出を開始した。海外テレビ局との提携、国際アニメフェスティバルへの参加、DVDの販売などを通じて、日本のアニメは世界中に広がる視聴者層を築いた。『ドラゴンボール』や『美少女戦士セーラームーン』、『新世紀エヴァンゲリオン』といった名作は、日本国内だけでなく、欧米やアジアでも大成功を収めた。このようなグローバル戦略は、国内市場が縮小する中でも、日本のアニメ産業が収益を上げ続ける原動力となった」と言及した。

さらに、「『ドラゴンボール』は、90年代を代表する日本のアニメの一つだ。この作品は、主人公の孫悟空(そんごくう)とその仲間たちが地球を守るために戦う物語を描いている。『ドラゴンボール』は日本国内で視聴率の記録を打ち立てただけでなく、世界中で多くのファンを獲得した。統計によると、『ドラゴンボール』シリーズの全世界累計販売部数は約3億冊となり、最も売れた漫画の一つとなっている。さらに、関連商品の売上も飛躍的に伸び、玩具、衣類、ゲームなど多岐にわたる派生商品の販売を促進し、巨大な産業チェーンを形成した」と述べた。

その上で、「経済学的視点では、『谷子経済』は経済不況期における消費者行動の変化を反映している。この不況下では、消費者は不要不急の支出を控え、代わりに即座に満足感や幸福感を得られる商品への支出を増やす。日本のアニメは、低コストで高い満足感を得られる精神的消費財として、この需要に見事に応えた。また、アニメ産業のグローバル展開が新たな成長の推進力となり、業界全体の収益を底上げしたのだ」と強調した。

そして、「90年代の日本のアニメが経済不況期に逆勢の成長を遂げた背景には、独自の文化的魅力とグローバル化戦略の成功があった。この現象は、『谷子経済』を理解する上で貴重な示唆を与えてくれる。今後の経済サイクルにおいても、同様の消費カテゴリが市場の注目を集める可能性は十分にある。世界経済の情勢が変化する中で、私たちは再び『谷子経済』の出現を目の当たりにするかもしれない。次の時代の『谷子経済』は一体何になるのだろうか?。その答えを楽しみに待とう」と結んだ。(翻訳・編集/岩田)

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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