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なぜ日本の「匠」が経営危機に?冷淡に押しつぶされそうになっている―中国紙

Record China    2014年9月16日(火) 8時34分

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15日、何回見ても、見るたびに夢中になり、新鮮な気持ちと感動を覚える。アニメ界の巨匠・宮崎駿監督の作品はそんな力を持っている。写真は三鷹の森ジブリ美術館。

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2014年9月15日、「何回見ても、見るたびに夢中になり、新鮮な気持ちと感動を覚える」。アニメ界の巨匠・宮崎駿監督の作品はそんな力を持っている。人民日報が伝えた。

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しかし、宮崎監督が所属するスタジオジブリは最近、経営難のため、映画制作部門を一度解体することを明らかにした。ファンらは、昨年引退を表明した宮崎監督の作品が見られなくなるばかりか、スタジオジブリの「匠の技」を今後見ることができなくなるのではと不安を募らせている。

スタジオジブリがこれまで成功を収めてきた理由は、最も伝統的な手書きにこだわり、オリジナリティーあふれる作品を提供し続けてきたことにある。「納期や予算のためにクオリティーを落とすことは絶対しない」と向上だけを求め、消費時代の流れに逆らってきた。そして、アート作品を生み出すという姿勢で、アニメ作品を製作してきた。

学者・塩野米松氏は、「日本は『匠』の伝統文化を誇る国。個人業者から科学者、学者まで、より良い物を求めることに夢中になっている。建築大手『大林組』の言葉を借りるなら、これは『技術者のプライド』」と指摘している。

しかし、スタジオジブリにとってはそのような姿勢が足かせになってしまった。「匠」の力を借りて作品を作るには、高コスト、高リスクが付き物だ。CGアニメが普及している現在、スタジオジブリが細部までこだわるとういうことは、人件費の高い日本では、高額のコストが必要になることを意味する。

スタジオジブリの人件費は年間20億円といわれ、100億円の利益を出さなければ経営を維持できない。しかし、この30年の間に、同社が製作した長編アニメ作品は22作品にとどまる。コストを回収できない作品が1作品でも出ると、経営は一気に危機に陥ってしまうのだ。

別の大きな問題として、後継者がいないことがある。技術が途切れてしまうことを、多くの匠が懸念している。宮崎監督も例外ではなく、今のところ後継者が見付かっていない。日本メディアは「経営危機に加えて後継者がいないため、スタジオジブリが今後、日本のアニメ界を背負って立つのは難しいだろう」と指摘している。

「匠の花」は、野原で生命力の強い雑草に埋もれてしまう花のようだ。リズムの早い生活の中で、多くの人が「ファストフード式」の文化を選択するようになっており、アートをじっくり楽しむというのは「ぜいたくなこと」となっている。また、「冷淡」は「匠文化」の最大の敵。文化学者の多田道太氏は、「大衆消費が日本に根付き、多くの日本人が高品質の物に目を向けなくなった。十分な市場がなく、匠は『冷淡』に押しつぶされそうになっている」と警笛を鳴らす。

「クオリティーの高い商品なら絶対に売れる」という観念はすでに過去のものとなってしまった。「匠の花」はどのように時代に適応していくかを考えなければならない。人気のない谷にひっそりと咲く高貴な花は得がたいものの、山一面に咲く野の花のように簡単に摘み取ることなどできないのだ。(提供/人民網日本語版・翻訳/KN・編集/TF)

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