【観察眼】「世界の工場」から「世界のモール」へ

CRI online    2024年10月22日(火) 9時50分

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中国では今年もまた、年間最大のECセールキャンペーン「ダブル・イレブン」を迎えた。

天高く馬肥ゆる秋、中国では今年もまた、年間最大のECセールキャンペーン「ダブル・イレブン(W11)」を迎えた。W11は、中国のEC大手アリババグループ傘下の「淘宝網(Taobao)」と「天猫(Tmall)」が2009年11月11日に独身者向けにECセールを仕掛けたことから始まり、その後、年に一度の中国最大規模のECイベントとして急速に発展してきた。そこから中国経済の活況ぶりや消費者の熱意が垣間見られるとともに、中国の消費市場や経済の構造転換を観察する一つの窓口となっている。15年を経て、今年のW11は最も早いキックオフ、最も長いセール期間、最も優遇された割引率、最も踏み込んだプラットフォーム間の協力など、多くの面で「史上最高」となっている。

今年のW11では、各ECプラットフォームは、セールスキャンペーンのキックオフ時期を繰り上げた。天猫(Tmall)、京東(JD)、拼多多(PDD)のいずれもが例年より10日も早い10月14日にプレセールをスタートした。中国版TikTokの「抖音(Douyin)」では、W11イベントをそれよりさらに早く、10月1~7日の国慶節大型連休と切れ目なくつながる8日に前倒しした。W11はすでに独身者の日である11月11日の一日だけのイベントではなく、一つのシーズンになってきた。また、1カ月以上に続く今年のセール期間は、史上最も早く、最も長いW11と言える。このセール期間の延長について、各ECプラットフォームや業者は楽観的で、中国の消費市場に対する大きな自信を示している。キックオフの前倒しや期間延長により、国慶節連休の消費熱がいっそう盛り上がり、業者の商品準備や出荷にも時間の余裕が与えられ、新商品の発売や在庫の最適化にもつながるとみられる。一方、W11イベントの延長により、多くの消費者にとっても、夜更かしして慌てて商品を買いあさる必要がなくなり、ゆっくり見比べて理性的な買い物ができることから、より良いショッピングをすることが可能になる。

しかも、今年のW11イベントでは初めて政府補助金が導入され、政府主導の買い替えキャンペーンが実施されてその補助金と各ECプラットフォームのクーポンの併用が可能だ。上海市では市の財政から5億元(約100億円)以上を拠出して飲食・宿泊・映画・スポーツなど四つの分野に「楽・上海」サービス消費券を配布する。杭州市では総額4億3000万元(約86億円)の消費券が発行されて飲食店や商業施設での利用やスマートフォン・タブレットなどの電子製品購入に使用できる。各地が打ち出す一連の消費刺激策は消費と供給を最適化して消費シーンを豊かなものにし、販促と国民生活の改善を結び付けて消費市場に好影響を与え、消費の質の向上と国民生活の福祉増進を促進する。

さらに、今年のW11では、各プラットフォームが競争する中で互いに協力し、互いに良い刺激を与えながら望ましいビジネス効果を上げている。例えば、Taobaoで買い物をする際、アリペイだけでなく、ウィーチャットペイも利用できるようになった。JDペイも近日中にアリペイに接続される。また、TaobaoやTmallでは、JD物流が利用できるようになり、JDもアリババ傘下の物流システム「菜鳥速逓(Cainiao)」や「菜鳥ステーション」が利用できるようになる。アリババ系、JD系、テンセント系などの大手ECプラットフォームが決済と物流業務を連携させることで、消費者はより多くの選択肢を持つことができ、ユーザーの使い勝手の良さが向上し、業者にも新たな成長の余地が生まれる。業界では、今年は史上最多の参加者が集まるW11になると予想している。

もちろん、W11の見どころには、驚くほど多種多様なグローバルな商品が欠かせない。例えば、昨年は展示のみだった中国製有人飛行艇AS700などの「大物商品」が今年のW11ではTaobaoで注文できるようになり、一定額以上の商品を購入すると割引が受けられるキャンペーンにも参加する。また、ヒマラヤ山脈の岩塩、ベルギーのロバミルク石鹸、オーストラリアの牛や羊も中国市場への進出に準備万端で、「天猫国際(Tmall Global)」の各保税倉庫には世界90の国と地域からの5万近い国際ブランドの商品をカバーする各種海外商品約2億件がすでに調達済みだ。

W11は中国のECイベントであるだけでなく、全世界が参加する消費の饗宴に進化している。各国の商品は海を越え、山を越えて中国の大市場に集まり、それらは数千もの都市や数百以上もの業界に及んでいる。これらの商品はオンラインとオフラインを通じて都市や農村の消費市場に進出し、中国の内需と対外貿易を連動させる。また、ますます多くの消費者がW11に参加して商品のリストや買い物の体験談をシェアしながら新たな消費を育む。AIによる商品案内や逆カスタマイズ、ビッグデータによる個人ニーズとの的確なマッチング、インテリジェントなお試し体験レポートなど、一連の新サービス、新モデル、新消費シーンの登場により、人々の暮らしと幸福の「マイクロ循環」をスムーズにし、さらに国の経済成長の「大動脈」とつながって、中国消費市場にある巨大な潜在力と活力を映し出し、全世界の投資者に新たな自信とビジネスチャンスをもたらしていく。(提供/CRI

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