新海誠監督「秒速5センチメートル」が描くリアルな愛の一面―台湾メディア

Record China    2024年10月26日(土) 20時0分

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台湾メディアのETtoday新聞雲は、新海誠監督の「秒速5センチメートル」をリアルな愛の一面を体験できるアニメ映画と紹介した。写真は秒速5センチメートル。

台湾メディアのETtoday新聞雲は、新海誠監督の「秒速5センチメートル」をリアルな愛の一面を体験できるアニメ映画と紹介した。

記事はまず、「桜が舞い散る中、踏切のそばで2人が振り返る瞬間、列車が通り過ぎる。多くの人がこのシーンをどこかで見たことがあるのではないだろうか。これは、2007年公開の新海監督の恋愛映画『秒速5センチメートル』の名シーンの一つだ。同作品は、感情の描写が非常に繊細であり、『桜花抄』『コスモナウト』『秒速5センチメートル』という三つの異なる時代を背景に、登場人物の心情が描かれている。大きな波乱や急展開はなく、淡々と、しかし美しい愛のもう1つの側面が語られている」と説明した。

その上で、第1章の「桜花抄」について「『抄』という言葉は、日本語でさまざまな意味を持つが、ここでは桜に関連する物語を指す。主人公・遠野貴樹(とおのたかき)と幼なじみの篠原明里(しのはらあかり)は、小学校卒業後に引っ越しによって離れ離れになり、同じ中学校に通うことができなかった。2人はお互いに深い想いを持ちながら、手紙のやり取りでつながっていた。ある日、貴樹が鹿児島に引っ越すことを告げ、明里と会う約束をする。しかし、当日は大雪で列車が遅延。携帯電話が普及していなかった時代、約束の時間を過ぎても相手に連絡できず、貴樹は焦燥感を募らせる。ようやく彼女のいる駅にたどり着いた時、待合室で眠っている明里の姿があった。彼女は貴樹を自宅近くの桜の木の下に連れて行き、そこで時が止まったかのような2人の時間を過ごす。その瞬間、2人の心に種がまかれたが、実を結ぶかどうかは分からない」と述べた。

第2章の「コスモナウト」については「時は流れ、高校生になった貴樹は、澄田花苗(すみだかなえ)という少女に密かに想われる。彼女は中学校で転校してきた貴樹に出会ったその日から、ずっと彼を思っていた。放課後、彼と一緒に自転車で帰るだけで満足していた彼女は、高校卒業が近づくにつれ、自分の進路を決められずにいた。心は貴樹に支配されており、何をしても彼に影響されてしまう。勇気を出して告白しようとした日、彼女は、貴樹が自分を見ているようで、実はもっと遠い場所を見つめていることに気づく」と紹介した。

第3章の「秒速5センチメートル」については「貴樹は、3年間付き合っていた恋人と別れ、仕事を辞め、かつていた町に戻ってきた。しかし、そこにもう昔の面影はなく、唯一変わらないのは桜の花びらが舞い落ちていることだけだった。貴樹が踏切を渡ろうとした時、向かいから明里らしき人物が来てすれ違う。振り返ると、相手も振り返ったように見えたが、その顔を見る前に列車が通り過ぎ、長年の思い出も一緒に遠ざかってしまう。列車が去り、残されたのは、ただの空虚な風景」と説明し、「この最終章は短いながらも、映画全体の核心を突いている。運命に翻弄される中で、2人はどんな心情でこれからの人生を歩むべきなのだろうか。おそらく、中学校の別れの日から答えの出ない問いとして残されていたのだ」と論じた。

そして、「新海監督の3作品目の商業公開映画である『秒速5センチメートル』は、間違いなく最も広く知られている日本の恋愛映画の一つだ。前2作品のSF的要素を捨て、同作品はシンプルでありながら心に深く刻まれる手法で、愛の哀しさを描いている。もし純粋で甘美な恋愛映画を求めているなら、同作品は思っているほど美しいものではないかもしれない。しかし、『秒速5センチメートル』が描く物語は、現実の世界の至る所に存在するものだ。愛はつかみどころがない性質を持っているため、私たちは多くの物語を経験する。しかし、その物語が結末にたどり着かないのは、結局のところ私たちが恋愛において自分自身のことしか考えていないからだろうか。それとも、私たちが自分自身をよく理解していないからだろうか。もしかすると、人生のパートナーを探す前に、まずは1人でしっかりと生きる練習をすることが大切なのかもしれない」と結んだ。(翻訳・編集/岩田)

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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