【観察眼】EUが中国製EVに追加関税、日本の皆さんはその結末は予測できるはず

CRI online    2024年10月14日(月) 10時30分

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欧州連合はこのほど、中国製の電気自動車に対して、今後5年間にわたって追加関税を課すことを可決した。

欧州連合(EU)はこのほど、中国製の電気自動車(EV)に対して、今後5年間にわたって追加関税を課すことを可決した。乗用車の輸入関税である10%に加え、中国製EVに対してさらに17%~36.3%の関税を上乗せすることになる。

欧州委員会は1年以上にわたる調査の末、中国がEUに輸出するEVには大量の補助金が出ており、EUの自動車産業の利益を損なっていると判断した。補助金は主にEVの研究開発に対する財政・貸付支援、ユーザーへの購入補助金、輸出補助金の3種類だとしている。だが、実際は始めの2種類の補助金は世界貿易機関(WTO)の禁止対象外であり、EUも同様の補助措置を取っている。例えばドイツでは今年7月以降、新規登録されたEVや他のゼロエミッション車を購入する人はその年に40%の税額控除を申告することができる(免除される税率は2028年12月まで、年ごとに低減していく)。また、EUが指摘した中国のEVに対する輸出関税還付と付加価値税の免除も、各国の輸出製品の公平な競争を確保するためのWTOルールに合致している。

注目すべきは、EUによる追加関税の対象となるのは中国から輸入される完成車のみで、自動車部品やEU内で生産されたEVは含まれていないことである。そこにはEUの思惑が隠されている。周知の通り、EVにとって最も重要な部品はバッテリーである。中国は世界最大のバッテリー生産国であり、正極にリン酸鉄を使用したリチウムイオン電池を開発し、希少鉱物の供給上のボトルネックを解決した。また、中国はバッテリーのショートを防ぐ隔膜と電解液のほとんどを生産しており、EUが自力でEVを造ろうとすれば難航するであろうことはEU自身もよく分かっている。そのため、EUは自動車部品やEUで生産されたEVを追加関税の対象から除外した。中国のEV技術と投資を取り入れながら、自らの市場を中国には分け与えたくないという思惑が見える。

日本の皆さんにとっても、現在中国が直面している状況は人ごとではないと思う。なぜなら、日本もかつて似たような状況に遭遇した経験があるからだ。世界自動車市場では1970年代に日本の自動車メーカーの成功に起因する貿易保護主義が台頭したが、その張本人はヨーロッパ諸国だった。当時、「メイド・イン・ジャパン」はヨーロッパ市場を席巻し、ヨーロッパ諸国は「日本との競争でヨーロッパの産業の大部分が滅亡の危機に陥るだろう」と驚嘆し、日本を規制するさまざまな措置を取った。高まる圧力を受けて日本政府と自動車業界は1981年に対米自動車輸出台数を制限する「自主規制」を導入し、年間の輸出台数枠を168万台に制限した。

一連の制限に直面しても、日本の自動車メーカーは欧米諸国からの圧迫によって衰えるどころか、逆に外部からの圧力を発展の糧に変えて、モデルチェンジとグレードアップを成功させ、世界的な競争の中で先行する優位性を絶えず拡大していった。その一方で、米国の自動車業界は向上のための努力を怠り、技術的優位性を完全に失った。今回中国が受けている圧迫について、日本の皆さんはその結末を予測できるはずだ。

貿易保護主義の事例は欧米の歴史上では頻繁に見られるが、成功したことはなかった。市場競争力の源は人為的に高められた貿易障壁ではなく、製品の性能、価格と市場の開放競争であることは歴史が何度も証明している。EUが1日も早くこの事実に気がつくよう願っている。(提供/CRI

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