時刻は日が暮れてしばらくたったころだろう。見えているのは高層ビルのようだが、問題の部屋は比較的低い階だ。建物は全面ガラス壁でカーテンは使っておらず、照明がついているので暗くなった屋外からは内部の様子が丸見えだ。若い男女がいる。女性はスカートを着用している。二人は両手を握ってもつれ合って歩き回ったりするが、そのうち男性は椅子に座り、自分の腰の上に女性を座らせて抱きかかえる。

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広東省深セン市内の騰訊（テンセント）の本社ビル内の様子だ。椅子の置かれ方などから、会議室内の出来事とみられている。動画が拡散した。近くにある比較的低層のビル屋上でスマートフォンを使って撮影している人の姿の画像も広まった。

テンセントは同件を知ると、さっそく調査に乗り出した。まず、写っていた2人のうち少なくとも1人は同社職員であることが判明した。公共の場所で不適切な行為をしたとして、事実をさらに明確にした上で、しかるべき処理をするという。テンセントはまた職員に向けて、仕事の場所で撮影して拡散させることは、当事者のプライバシーを侵害して当事者を傷つける可能性が高いとして、法律に抵触することもありえるとして、警告した。

テンセントはさらに、同件は内部の者による情報漏洩であり、職場に関連する機密保持規則に違反した疑いがあり、動画が拡散したことは、（テンセントに対する）権利侵害の可能性もあると表明した。

多くのネットユーザーが、この動画に対するコメントを寄せた。「急ぎすぎだよ。家に帰ってする選択肢もあっただろう。会社でカーテンすら閉めないようじゃ、ライブ配信と同じだ」と書き込んだ人もいる。

一方で、「撮影者は当事者のプライバシーの権利を深刻に侵害している。カップルがキスをして抱きしめるのは普通のことだ。しかも退勤時間後だ。人を盗撮するのは本当に不道徳だ」と、動画撮影を批判した人もいる。同件を紹介した中国の大手ポータル/情報サイトの記事によると、問題の動画を撮影して拡散させた行為を批判する人が多かった。

同記事は同件について「若い男女も戒めとせねばならない。結局は、自分の家ではないのだ。このように公然とライブ配信されて、社会レベルで悪い影響を与えることになる」と撮影された男女を批判する一方で、「盗撮者が道徳に反していることはもちろんだ。このようなことはネット上で広めないほうがいい。深刻な場合は他人のプライバシー権を侵害することもある」と論じた。（翻訳・編集/如月隼人）