福島原発の処理水放出から1年、中国の反日感情は大きく減退―英メディア

Record China    2024年8月29日(木) 8時0分

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台湾メディアの風伝媒は25日、英BBCの報道を引用し、福島第一原子力発電所の処理水海洋放出から1年がたち、中国の反日感情は大きく減退していると伝えた。写真は今年5月に開店した天津のスシロー。

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台湾メディアの風伝媒は25日、英BBCの報道を引用し、福島第一原子力発電所の処理水海洋放出から1年がたち、中国の反日感情は大きく減退していると伝えた。

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記事は、2023年8月に始まった福島第一原発の処理水海洋放出に中国政府が強く反発し、日本からの水産品輸入を全面的に禁止したと説明。また、「中国人のパニックは水産品にとどまらなかった」とし、SNS上では日本ブランドの化粧品や日用品などにも「放射能があるのでは」などとデマが広がり、ボイコットを呼びかけるネットユーザーも現れたとした。

その上で、日本で生活する中国人の元には国内にいる家族や友人から身を案じるメッセージや日本を罵倒するメッセージが送られて来るようになったと言及。一方で、在日中国人の中にはこうした反応に疲れている人もいるとし、ある在日中国人が「中国で生活する人々は日本は危険だと刷り込まれている」「(中国メディアの)日本に関するニュースの多くは誇張されて伝えられている」「もう説明するのが面倒になった」などと語ったことを伝えた。

記事は、処理水海洋放出については日本国内でも反対の声があったものの、検査データが公表されるにつれてそうした声は減っていったとし、23年7月の世論調査で賛成39%、反対28%だったのが同9月の調査では賛成53%、反対16%になったと解説。また、近隣の韓国でもここ1年、5万回に迫る検査を行ったもののいずれも基準を下回ったほか、日本からの水産品の輸入も前年比でおよそ13%上昇しており、台湾も今年7月に福島を含む5県の食品の輸入停止措置を解除する方針を示したことを伝えた。

一方、「中国政府は引き続き強硬な姿勢を示している」とし、昨年7月に林芳正外相(当時)と会談した王毅(ワン・イー)外相が「事故による汚染水と正常な運転で発生した廃水とは全く別物」と述べたことに言及。中国の輸入禁止は日本産のホタテなどに打撃を与えたとし、「中国は現在も日本の水産品輸入禁止を維持している唯一の隣国になっている」と述べた。

天津スシロー

記事は中国の輸入禁止措置について、「外交カード」であるとの見方があると紹介。「中国は食の安全と人民の健康を守ることが目的と主張しているが、中国の専門家も海に放出された放射性物質は約1年で東シナ海に達すると推測している」とし、一部専門家から「同じ海なのに日本人が取った魚は食べられなくて、中国人が取った魚は食べられるとは、どういう論理なのか」との声が出ているとした。

また、日本経済新聞が先日、「大量の中国漁船が日本の三陸沖で大規模に操業し、捕獲した魚介類を中国に持ち帰って中国産として販売しており、政府も黙認している」と報じたことに触れ、専門家から「この矛盾した行動は中国の禁止令が食の安全とは関係なく、外交カードであることを示している」との声が上がっていると説明。一方で、「日本政府のデータによると、中国の禁止令が日本経済全体に与える打撃は取るに足りないものだ」とも補足した。

記事はこのほか、「処理水放出から1年がたち、中国人民の反日感情にも緩和の跡が見られる」とも言及。回転ずしチェーンのスシローが今年8月に北京に出店したところ最大の待ち時間が10時間を超える盛況ぶりだったことや、今年1月に北京に出店したはま寿司も人気になったことを紹介。ネット上では「中国人には気骨がない」とあきれる声が上がる一方、「自分は愛国でもないしボイコットもしていないから食べてもいいだろう」「国産だろうが(日本からの)輸入だろうが怖くない。科学を信じている」「世界中の国が(冷却水、処理水を)海に排出している」との声も見られたとした。

天津のスシロー

また、日本を訪れる中国人観光客も増加傾向にあり、今年7月には外国人観光客の中で中国人がコロナ収束後初めてトップに返り咲いたことを指摘。ある在日中国人の男性が「両親はよく私のことを心配していて、1年前は中国に帰って来いと言っていたが、先日は私に会いに日本にやってきて1~2週間滞在していった。両親は日本のスーパーで日本人が普通に買い物しているのを見て、自分たちも食品を買って帰り調理して食べた。中国国内と何も変わらないことが分かり、彼らも安心した」と語ったことを紹介した。

さらに、SNS上では放射能測定器を持って日本に行き、実際に測定したところいずれも低い値だったとの投稿もあると説明。ある専門家の言葉として「この状況は、一定の常識を持つ中国人はすぐに理性的になるとの1年前の予測と合致する。先日のコロナ政策とも通じるところがあり、『世界の国々はゼロコロナ政策を取らないのになぜ中国だけがゼロコロナ政策を取るのか。日本人も、韓国人も、台湾人も水産品を食べているのになぜ中国だけが(日本からの輸入を)全面禁止しているのか』(と考えている)」と伝えた。(翻訳・編集/北田

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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