中国で「中医夜市」がブームに、伝統文化とナイトライフ融合し人気集める

Record China    2024年8月25日(日) 23時0分

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中国各地でここ数年、中医学に特化したナイトマーケット「中医夜市」がブームとなっている。写真は瀋陽市の中医夜市。

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中国各地でここ数年、中医学(中国伝統医学)に特化したナイトマーケット「中医夜市」がブームとなっている。中医学の名医による無料の脈診、中薬(中国伝統薬)の考えにのっとった茶や薬膳の提供、伝統療法の体験など、さまざまなイベントが企画され、人気を集めている。

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国営新華社通信によると、山東省済南市の青年東路で7月に行われた中医夜市も黒山の人だかりとなった。45のブースが出店し、10万人近くが集まった。山東中医薬大学付属医院の孫振高副院長は今も驚きをもってこの数字を受け止めている。「院内の名医や専門医を集め、3日間連続で夜市を開催したら、爆発的な人気となった」。高齢者が多いと予想していたが、大学生や会社員らの若者が80%を占めたという。瀋陽杭州長沙などの中医夜市も同様のにぎわいとなった。


夜市では刮痧(かっさ)療法、中薬でつくる貼り薬「三伏貼」、灸(きゅう)法の一種「火竜缶」などの伝統的な療法を体験したり、専門医による無料の診断・治療サービスを受けたりすることができる。烏梅ドリンクや美容茶などの「中国式健康ドリンク」を手に、クイズやパズルなどを楽しみながら中医学や中薬の知識を学ぶこともできる。

SNS(交流サイト)には「夜市をぶらつくついでに診察してもらえた」「予約が取れない名医が脈を取り処方してくれた」「姜棗茶、烏梅ゼリー、健脾丸。中薬がこんなにおいしいものだったとは」など感嘆のコメントが並んだ。


共感と体験を重んじる若者の感性にフィットした中医夜市は、中医薬業界が積極的に若者を取り込む試みであり、中医学の伝統的なPR方法のブレークスルーになった。中医学は長い間、病院の外来と病棟に限定され、近寄りがたく難解で神秘的なイメージがあった。

中医夜市はにぎやかな街中に舞台を移し、より親しみやすく生活に即した形で中医学を示してみせた。人々は病院に行く緊張感なしに夜市をぶらつく気軽さで中医学に触れ、理解を深められる。夜市は中医学に対する心理的なハードルを下げ、中医学をより受け入れやすい生活感のある存在に変える革新的モデルとなった。

孫氏は「中医学や中薬の理論は生産と生活の実践に由来し、中国の伝統文化に根差し、その養生の思想と方法は古くから中国人の毎日の食事と暮らしに溶け込んできた」と指摘。「国民の健康に対する需要と関心はますます高まっている。中医薬文化の新たな方法での推進、中医薬の新たな解釈、業界を越えた試みが人々、とりわけ若者たちの参加を促し、興味、熱意を引き出している」と話した。(編集/日向)

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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