【観察眼】スポーツは地政学の道具にあらず

CRI online    2024年8月8日(木) 12時20分

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パリオリンピックではドーピング検査をめぐり、中国代表を標的にした一連の動きが看過できないレベルにまで及んでいる。

パリオリンピックの中国代表は水泳で金2、銀3、銅7の計12個のメダルを獲得し、メダル数は中国の五輪代表史上最高を記録した。だが、その一方で、ドーピング検査をめぐり、中国代表を標的にした一連の動きが看過できないレベルにまで及んでいる。

情報筋によると、水泳の中国代表は10日余りのパリ滞在中、31人の全選手が計約200回のドーピング検査を受けた。1人当たりの平均回数は5~7回だった。しかも、早朝から深夜まで時間を問わず始まり、中国選手の練習や休息に及ぼす影響が懸念されるほどだった。

今回のバッシングはパリ大会開幕の3か月前にさかのぼる。今年4月、米国と一部の西側メディアが突然、3年前に起きた「中国水泳選手のドーピング事件」を喧伝し始めた。2021年に、中国人の水泳選手23人が、トリメタジジンの陽性反応を示したにもかかわらず処罰されなかったと主張し始めたのだ。この事件は、国際オリンピック委員会(IOC)と世界反ドーピング機関(WADA)によって食品汚染によるものであると確認されたにもかかわらず、米国をはじめとした西側メディアは国際機関の公正性を疑問視し、中国をひいきしていると非難を続けた。

オリンピックの開幕を目前にして、このような誤解を招く、誹謗中傷のような報道がなされたことで、水泳中国代表には大きな心理的プレッシャーがかかり、世論の大きなバッシングを招いたことは否めなかった。

こうした根拠のない非難に対し、WADAと、後に発足した独立した調査機関のいずれもが明確な結論を出し、水泳中国代表の無実を証明した。だが、米国側はこれで収まらず、WADAが真相を隠蔽しているといっそう激しい非難を続け、さらには連邦捜査局(FBI)など司法の力を動員して捜査に介入したばかりか、国内立法を通じて関係する中国選手に対する「ロングアーム管轄」を試みている。まるで自らを世界の反ドーピングの最高裁と見なしているような勢いであった。

このような、事実を顧みないアメリカファースト的なやり方は、中国選手に対して極めて不公平であるだけでなく、世界の反ドーピングのルールとスポーツマンシップに対する公然たる挑発である。

今回の水泳中国代表に対する非難と攻撃の手口は、どこかで見覚えがある。それは米国の、自由貿易やハイテクなどの分野での中国に対する抑止と圧迫である。今回、米国が水泳中国代表を標的にしていわゆるドーピング事件を騒ぎ立てるのは、中国勢が関連の種目で米国の優位な地位に強いインパクトを与えたことと無関係ではない。

今回、競泳男子100メートル自由形では、中国の19歳の潘展楽が金を獲得したが、これはアジア選手としては1932年のロサンゼルスオリンピック以来、初めてのことだ。彼が残した46秒40の成績は世界新記録となった。また、男子4×100メートルメドレーリレーで金をもぎ取った中国勢は、米国の40年に及ぶ覇者の座を奪ったことになる。男女4×100メートルメドレーリレーは銀だったが、同じく世界記録を塗り替える好成績だった。これらのパフォーマンスは水泳種目における中国勢の実力の表れであり、「より速く、より高く、より強く」というオリンピックのモットーを十分に実践したものだと言える。新記録は世界の水泳競技の競争をさらに激しいものへと押し上げた。

皮肉なことに、アンチドーピング分野では米国自身にも多くの問題が発覚している。WADAのバンカ会長によると、米国は選手がドーピング検査を受ける回数が最も少ない国の一つで、米国内の複数のスポーツ連盟はWADAの規制を厳格に遵守していない。また、米国には自国選手のドーピング問題に対処する際に、明らかなダブルスタンダードが存在している。米国の陸上競技のエースであるエリヤン・ナイトンは今年3月26日にステロイド(トレンボロン)陽性が判明したが、米国反ドーピング機関(USADA)が、陽性の結果が出たのは汚染された肉を食べたことが原因だと主張して、出場停止処分を科さない決定を下したのはほんの一例に過ぎない。

米国の水泳中国代表に対する根拠のない非難と攻撃の本質は、自身の覇者たる地位を守り、競争相手を圧迫することだ。米国の行動はスポーツマンシップの基本原則に反するだけでなく、国際スポーツ界の団結と調和を損なうものでもある。

スポーツは地政学の道具ではない。われわれは中国の水泳選手たちの奮闘に喝采を送ると同時に、政治的な操作とダブルスタンダードには「ノー」を突きつけなければならない。(提供/CRI

※本記事はニュース提供社の記事であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。すべてのコンテンツの著作権は、ニュース提供社に帰属します。

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