超伝導体はその大きな応用可能性により大きく注目されている。新型高温超伝導体の発見は、科学界が熱心に追求している目標だ。復旦大学が18日に明らかにしたところによると、同大学物理学部の趙俊（ジャオ・ジュン）教授のチームは高圧光フローティングゾーン技術により3層のニッケル酸化物の生成を成功させ、ニッケル酸化物に圧力誘導の超電導性があることを証明した。その超伝導体の体積分率は86％に達し、再び新型高温超伝導体が発見されたことを意味する。この研究成果は北京時間17日夜、「ネイチャー」最新号に掲載された。科技日報が伝えた。

趙氏は、「高温超伝導の研究のブレークスルーの大半は実験、とりわけ新型超伝導体の発見によりもたらされるものだ。既存の理論では完全に説明できない現象が現在も数多くある。ニッケル酸化物単結晶サンプルの生成条件は非常に厳しく、特定の高酸素圧力環境に置き、高温と高い温度勾配を維持して初めて単結晶サンプルの安定生成を実現できる。相形成に必要な酸素圧力の幅が非常に小さいため、複数の組成を持つニッケル酸化物が層状に共生する現象が起こりやすい上、生成過程では数多くの頂点酸素欠陥が極めて発生しやすい。これがニッケル酸化物の超伝導含有率が低い理由かもしれない」と説明した。

同チームは高圧光フローティングゾーン技術を利用し多くのサンプルを生成し、最終的に純相三層ニッケル酸化物単結晶の合成に成功した。チームはさらに一連の中性子回折およびX線回折測定を実施し、材料の格子構造と酸素原子座標や含有量を正確に測定し、頂点酸素欠陥がほとんど存在しないことを発見した。（提供/人民網日本語版・編集/YF）