トランプ氏銃撃、政治的暴力が激化の恐れ―独メディア

Record China    2024年7月17日(水) 7時0分

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ドナルド・トランプ前米大統領が演説中に銃撃され、右耳にけがをした事件に関連し、独ドイチェ・ヴェレの中国語版サイトはこのほど、「政治的暴力の激化につながる可能性がある」とする記事を掲載した。

米東部ペンシルベニア州で13日に開かれた選挙集会でドナルド・トランプ前大統領が演説中に銃撃され、右耳にけがをした事件に関連し、独ドイチェ・ヴェレの中国語版サイトはこのほど、「政治的暴力の激化につながる可能性がある」とする記事を掲載した。

記事はまず、トランプ氏暗殺未遂事件について、米政治アナリストのイアン・ブレマー氏がX(旧ツイッター)に「分極化した今日の米国で起こり得る最悪の出来事で、今後より一層の政治的暴力と社会的不安定が起こる前兆だ」と投稿したことを取り上げ、「同事件が米国に与えるであろう劇的な影響を示唆した」と伝えた。

記事は「ブレマー氏の懸念は正当なものだ」と指摘。「ロイター通信の2023年8月の調査で、米国は1970年代以来最大の政治的暴力の持続的増加の真っ只中にあることが判明した。調査によると、当時と異なるのは、現在の攻撃が主に財産よりも人間に向けられているということだ」と伝えた。

ロイターによると、21年1月6日にトランプ氏支持者が米議会議事堂を襲撃して以来、当局に登録された政治的暴力事件は213件に上り、うち3分の2が身体的暴力による衝突で、18人が命を落とした。

記事によると、米シカゴ大学の政治学者ロバート・ペイプ氏は英紙ガーディアンに「トランプ氏銃撃は、米国における政治的暴力への容認の結果だ。バイデン大統領への報復の脅威についても懸念する理由がわれわれにはある」と語った。

「安全保障と脅威」プロジェクトの一環として発表されたシカゴ大の調査によると、政治的暴力が頻発する原因は政治指導者への不信と陰謀論への信仰にある。トランプ大統領復活阻止のための暴力使用は正当化されると回答した割合は10%だったのに対し、トランプ大統領復活のための暴力使用は正当化されると回答した割合は6.9%だった。

記事によると、11年1月8日にアリゾナ州ツーソンのショッピングモールで発生した暗殺未遂事件で狙撃され、頭部貫通銃創を負いながら奇跡的に一命を取り留めたガブリエル・ギフォーズ元下院議員は、「私はトランプ前大統領および政治的暴力による被害を受けたすべての人々を心に留めている。政治的暴力は非アメリカ的であり、決して受け入れられない」とXに投稿し、暴力の波を止めようとした。

記事は「11年のギフォーズ氏暗殺未遂事件は、米国における政治的暴力の増加の前兆とみなされている。メリーランド大学の専門家ゲイリー・ラフリー氏によると、トランプ氏が初めて大統領選に出馬した2016年以降、暴力事件の記録が大幅に増えているという」とし、「同氏が構築した1970年から2020年までの政治的暴力事件を追跡するデータベースには、20年10月にFBIによって阻止されたミシガン州知事グレッチェン・ホイットマー氏(民主党)の誘拐計画や米中間選挙直前の22年10月にナンシー・ペロシ氏の夫が襲撃された事件が含まれる」と伝えた。

記事によると、ラフリー氏の研究は、シカゴ大の研究とは対照的に、「米国および世界各地で、右翼およびイスラム過激派は左翼過激派よりも政治的な目的を推進するために暴力を使用する可能性が著しく高い」ことを示している。

記事は「トランプ氏暗殺未遂事件は、1981年に当時のロナルド・レーガン米大統領の暗殺未遂事件が起きて以来、米国で最も劇的な政治的暴力事件と解釈されている。1963年のジョン・F・ケネディ米大統領の暗殺と、68年に選挙運動中に銃撃された弟のロバート・ケネディ氏の暗殺を想起させる」とし、ブレマー氏が、今米国に必要なこととして、政治的暴力をあらゆる政治的立場から明確に非難し、政治家が超党派で支持者に冷静になるよう呼び掛けることを挙げた一方で、「それは実現しないだろうと深く疑っている」と付け加えたことを紹介した。(翻訳・編集/柳川)

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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