Record ASEAN 2024年7月9日(火) 6時0分
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フィリピンでこのほど、異なる中国企業で働く上級管理職2人が誘拐され殺害されるという事件があった。これについて、新民週刊は「現地では中国人誘拐が産業化している」とする記事を掲載した。写真はマニラ。
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フィリピンでこのほど、どちらも医療機器を扱う二つの異なる中国企業で働く上級管理職2人が誘拐され殺害されるという事件があった。これについて、中国・上海の雑誌、新民週刊は「現地では中国人誘拐が産業化している」とする記事を掲載した。
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記事によると、犠牲者のうちの1人は、フィリピンの代理業者を名乗る人物に招かれ6月20日に現地入り。その後、誘拐され、犠牲者の家族の1人が誘拐犯に身代金300万元(約6600万円)を送金したものの、同24日に殺害された。
フィリピンの事情に詳しい人によると、現地ではこうした誘拐事件が「ブラックな産業チェーン」になっているという。標的は外国人、特に中国人だ。
それに先立つ6月2日には、首都マニラ近郊で、電動バイクに乗ったフィリピン人警官2人が、中国人3人とマレーシア人1人を乗せた高級車を停止させ、武装した民間人の仲間が4人に手錠をかけ、白色のバンに引きずり込むという事件もあった。
中国人2人は逃げて警察に通報したが、残りの2人は誘拐犯に暴行を受け、身代金21万元(約462万円)を支払って解放された。ネット上には「フィリピンでは中国人誘拐が一つの産業になっている。あなたとあなたの友人がビジネスに関してフィリピン人から熱烈に招待された場合は、誘拐に十分注意しなければならない」と注意喚起する書き込みもあった。
フィリピンは治安が相対的に悪く、銃がはびこり、誘拐やテロ、ギャンブルに関連した違法拘禁、睡眠薬強盗が多発している。それと切り離せないのが、フィリピン政府の腐敗と無能だ。マルコス・ジュニア政権は、国内では権力強化を目指して前大統領ロドリゴ・ドゥテルテ家との政治闘争に明け暮れ、対外的には中国と対立。そのため、治安維持への取り組みはドゥテルテ政権当時ほど厳しくなく、誘拐事件の増加に直結する要因の一つとなっている。
中国の黄渓連(ホアン・シーリエン)駐フィリピン大使は7月1日、フィリピンのルーカス・ベルサミン官房長官兼大統領府組織犯罪対策委員会委員長と会談し、両国の法執行部門による拉致・殺人や振り込め詐欺、人身売買など悪質犯罪の合同取り締まり、特にフィリピンのオフショアギャンブル業界関連犯罪の合同取り締まりにおける進展を振り返り、一部の重点個別案件について意見を交わし、中比の法執行協力の強化や越境犯罪合同取り締まり、両国国民の生命・財産の安全確保への取り組みで一致した。しかし、実質的な成果が上がるかどうかは、フィリピン政府が犯罪との闘いに真に注力できるかどうかにかかっている。(翻訳・編集/柳川)
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