中国の不動産に光?専門家は日本の二の舞を懸念―独メディア

Record China    2024年6月6日(木) 7時0分

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6月4日、独ドイチェ・ヴェレは、この1年で中国の住宅新規建設量が減少し、不動産業が苦境を脱する兆しとの見方の一方で、専門家は日本と同じ轍を踏むことを懸念していると報じた。写真は広東省深セン市。

2024年6月4日、独国際放送局ドイチェ・ヴェレの中国語版サイトは、この1年で中国の住宅新規建設量が明らかに減少し、不動産業が苦境を脱する兆しとの見方の一方で、専門家は日本と同じ轍(てつ)を踏むことを懸念していると報じた。

記事は、中国で今年4月までの1年間で新たに着工した住宅の面積がピーク時の21年から63%少ない6億3400万平方メートルにまで減少したと紹介。アナリストからは建設面積の減少が、不動産危機による経済成長に対する圧力の低減につながる、今後1年前後で底を打つ見込みであるといった見解が示されたことを伝えた。そして、国際通貨基金(IMF)の予測では向こう10年間の中国の住宅需要は平均9億5000万平方メートルであり、これまでの過剰供給分が消化されていく見通しだとした。

一方で、建設面積の減少は「単なる周期的な一筋の光明似すぎない」とし、中国経済の状況は1990年代の日本に一層似てきていると指摘。中国の不動産業の規模はピーク時の40〜50%で安定的に推移し、経済規模の25%近くを占めたかつてのように経済成長の推進力になることはないとの見方が出ているとした。日本は2006年に始まった不動産危機から18年を経て、不動産価格は47%下落したと紹介し、現状中国は日本と同じ足取りをたどっており、今後も同じ状況が続くとの分析を伝えた。その上で、日中両国が危機に対応にあたって「損失に対する速やかな認識」が不足していると伝えた。

記事は、ある専門家が「中国政府は不動産市場の発展をサポートする意思を持っていない。狙いは不動産市場の安定、あるいはその衰退を緩やかにすることだ」と指摘したことを紹介。中国政府が先月発表した新たな不動産業支援計画で、不動産ローン利率や頭金比率の引き下げを指示するとともに、9兆ドル(約1400兆円)と言われる地方政府が調達した未販売の商品不動産を経済適用房(社会保障住宅)へと転化するよう求めたことについて「不良資産をデベロッパーから地方政府の手中に移転する行為だが、いずれにせよ最終的には損失を認める必要がある」とし、フランスの投資銀行ナティクシスのアジア太平洋地域チーフエコノミストが「中国の地方政府は日本銀行と同じような運命をたどる可能性がある。最終的には資本の再編を迫られることになる。これは『より長く続く調整』を意味する。中国はまだ不良資産の整理を行っていない。中国の現状が米国やスペインではなく日本により近いという理由はここにある」と述べたことを紹介している。(翻訳・編集/川尻

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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