日本のちいかわが中国の若者の「心の痛み止め」になっているワケは?

人民網日本語版    2024年5月20日(月) 19時30分

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日本のアニメ「ちいかわ」に登場するメインキャラの「ちいかわ」と、その親友である「ハチワレ」と「うさぎ」が今、中国の若者の間で新たな人気者となっている。

日本のアニメちいかわ」に登場するメインキャラの「ちいかわ」と、その親友である「ハチワレ」と「うさぎ」が今、中国の若者の間で新たな人気者となっている。SNSのチャットでステッカーが人気となっているほか、微信(WeChat)モーメンツに投稿されている写真や関連グッズの店などでも「ちいかわ」の姿を目にすることが増えている。そして「ちいかわ」が中国の雑貨小売り大手「名創優品」と提携したことで、その話題性がさらに高まっている。人民網が各社の報道をまとめて報じた。

メーデー5連休中、広州深センの「名創優品×ちいかわ」をテーマにしたポップアップ・ストアは、入場制限が生じるほどの大混雑となり、売り切れとなるグッズが続出した。3月末に「ちいかわ」の中国で初となるポップアップ・ストアが上海にオープンすると、10時間で売上高が268万元(約5628万円)に達し、オープンから3日目でその額は800万元(約1億6800万円)に達した。ここ2カ月、若者の「心の痛み止め」となっている「ちいかわ」がたたき出した業績に、名創優品(集団)の葉国富(イエ・グオフー)董事会主席兼最高経営責任者(CEO)は、「前代未聞の業績、速度、効率、勇気だ」と感慨深く語る。

近年、マルチーズアーカイブやルーピー、リーナ・ベル、カピバラさん、バターベアーなどのステッカーが続々と登場し、若者の「お気に入り」フォルダーにずらりと並んでいる。しかし、これらのかわいらしい見た目や二次加工によって人気を集めたキャラと異なり、「ちいかわ」はそのアニメ化された作品によって、それぞれのキャラの性格やストーリー上の設定が加味され、より生き生きとしたコンテンツになっている。そのため、単なるかわいさにとどまらない魅力を感じられるようになっている。

イラストレーターのナガノによる漫画作品「ちいかわ」の正式名称は「ちいかわ なんか小さくてかわいいやつ」。2020年からツイッターで連載されるようになり、2022年にはアニメ化された。ちいかわとハチワレ、うさぎが主なキャラクターで、「草むしり」や「討伐」といった仕事に従事し、それらの報酬によって生計を立てている。また、各種資格やそれを取得するための検定が存在し、資格の種類によっては報酬の金額が上がり、受験に失敗するとリベンジに挑む。そのようなリアルながら、何の変哲もない設定が、生活のために働く人々の心をわしづかみにしている。2023年に「ちいかわ」は日本のソーシャルメディアで爆発的人気となり、その人気は他の国まで瞬く間に波及。中国のソーシャルメディアにおいても新たなトレンドとなっている。かわいくて、癒し系の画風がその人気に拍車をかけているが、本当の意味で若者の心をわしづかみにしているのは、「つらいことや悲しいことがたくさんある世界においてささやかな幸せを見つける」という世界観だ。

生き残りをかけた社会における人間関係が中国の若者の悩みの種となっており、多くの人は、ポジティブに暮らし、人間味を感じたいと心から願っている。「ちいかわ」に登場するキャラクターは、時にはつらいこともある生活を送りながらも、喜びを保ち、味気ない世の中において幸せを探しており、そのような姿に多くの人が心を動かされており、現実の生活において、疲労困憊している心のよりどころになっている。ご飯が進む「おかず」代わりのドラマや感情やストレスのはけ口となるステッカー、「心の痛み止め」となっている物事などが、精神的エネルギーロスを感じている若者の「救世主」となっていると言えるかもしれない。(提供/人民網日本語版・編集/KN)

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