サルが自分の「意思」でロボットアームをコントロール?―中国

人民網日本語版    2024年4月30日(火) 6時30分

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脳内にやわらかく、細いワイヤがついた小さな薄膜を埋め込み、両手を縛られたサルが自分の「意思」でロボットアームを操作し、イチゴをつかむ様子が公開された。

25日に行われた2024中関村フォーラムで、脳内にやわらかく、細いワイヤがついた小さな薄膜を埋め込み、両手を縛られたサルが自分の「意思」でロボットアームを操作し、イチゴをつかむ様子が公開された。これは中国の科学者が独自に研究開発した「北脳2号」で、中国の高性能侵襲式ブレイン・マシン・インタフェース(BMI)技術の空白が埋められた。アカゲザルの2Dモーションカーソルに対するスムーズなマインドコントロールは世界初となる。新華社が伝えた。

ブレイン・マシン・インタフェースとは、脳と外部の機器などとのインタフェースをとる「情報の高速道路」で、新世代インタラクションとヒューマンコンピュータハイブリッドAIの最先端技術だ。北京脳科学・類脳研究所の羅敏敏(ルオ・ミンミン)所長は、「端的に言えば、大きなインパルスの微妙な変化を捕捉し、脳の意図を解析し、意思による動きのコントロールを実現している。そのため、手を動かさなくても、ロボットを遠隔操作できる」と説明した。

ブレイン・マシン・インタフェースの性能は、どれほど正確にインパルスを読み取り、高精度で変換できるかにかかっている。前者は電極、後者はアルゴリズムがカギとなる。

中国が独自に開発したハイスループットコンプライアントマイクロワイヤ電極と無数の回路がある高速神経インパルス収集設備という二つのハードウェアとフィードフォワード制御プランに基づいた生成型ニューロ解析アルゴリズムという三つの核心モジュールが高性能な「北脳2号」を実現している。

電極はセンサーに相当する。脳内に埋め込むことで、脳のインパルスを読み取る。その性能は、捕捉するインパルスの数と質にかかっている。

北京芯智達神経技術の李園(リー・ユエン)業務発展総監によると、「北脳2号」に採用されているフレキシブルな材料は、生体適合性が高く、細胞毒性もないため、電極ワイヤ上で大量のタッチスポットを作り出すことができ、回路数が多く、信号捕捉能力が高いという。

至近距離で観察すると、この電極は小さくて薄く、伸びている電極ワイヤの直径はわずか髪の毛の10分の1から100分の1ほど。ワイヤ上には大量のタッチスポットがあり、顕微鏡で見なければそれをはっきりと見ることはできない。こうした設計により、脳組織に与えるダメージを大幅に減らし、脳のインパルスを捕捉する時間を伸ばすことができるという。

李総監は「この有効な回路の数や長期にわたる安定性はいずれも世界最先端水準。硬質の電極と異なり、フレキシブルマイクロワイヤ電極は、サルの脳に埋め込んで1年が経過しても、脳のインパルスを高精度で収集することができる」と説明した。

アルゴリズムは「翻訳者」に相当し、脳の意図を正確に解析する。「北脳2号」に採用されているのは中国が独自に研究開発したアルゴリズムで、脳の皮質の神経活動と働きのパラメーター間の写像を正確に確立することができる。

羅所長は「ブレイン・マシン・インタフェースが目指しているのは安全、安定、効果的であることで、これは系統的なプロジェクトとなる。ブレイン・マシン・インタフェースには電極やチップ、アルゴリズム、ソフトウェア、材料などが関係しているため、キーテクノロジーのさらなるブレークスルー実現が待たれる」としている。(提供/人民網日本語版・編集/KN)

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